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19.風紋

 帰宅して生首に慰霊碑の話をすると、目を見開いて黙ってしまった。


「……そうでござるか。……あいや、すまない。しばし、考えさせていただいても?」

「もちろん」


 僕は宿題と明日の支度を済ませる。

 晩ごはんとお風呂まで終わったところでリビングに行った。

 父さんがゲームをしているので、隣に座る。


「あの、お願いがあるんだけど」

「んー?」


 テレビでは砂に模様が描かれていた。

 枯山水、だっけ。あれのふんわりした感じ。


「これなに?」

「風紋を作るゲーム」

「おもしろい?」

「飽きてきた」

「ふふ」

「なにか頼みたいんじゃないの?」


 父さんはコントローラーを握って、テレビを見たまま言った。


「あの、行きたいところがあるから、車を出してほしくて」

「5W1H」

「次の土曜日の午前中、○○慰霊碑に、僕と荷物を」

「いいけど、荷物は何?」

「……風呂敷」


 テレビの画面が一時停止した。

 父さんが顔をしかめて僕を見ている。


「何関連?」

「…………何って言われると……強いて言うなら、メブキさん」

「終わったあとに神社に寄る」

「はい、行きます」

「じいさんのお祓いを受ける」

「はい、受けます」


 影が嫌そうに小さくなったけど仕方ない。

 父さんが僕の向こうを見た。

 振り向いたけど誰もいない。

 影がますます小さくなる。


「部屋の前の盛塩、交換しておいたから」

「ありがとう、父さん」


 父さんは肩をすくめて、またゲームに戻った。テレビの中で砂が形を変えるのを少し見てから、僕と影は部屋に戻った。

 生首は黙ってカーテンの隙間から外を見ていた。

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