第59章:人生最後のクラス会(23):2016年11月開催のクラス会当日(7)
(・・・あっ、じんちゃん!)
ぼくがまず気づいたのは、
ちょっと前の、第48章で紹介した・・・
「小林じん子ちゃん」だった。
ニコリともせずに、まっすぐぼくをにらみつけている。
(じんちゃん・・・。1991年以来、25年ぶりに会ったっていうのに、どうしちゃったっていうんだよぉ、そのおっかない目は。)
なぜ、じんちゃんが、怖い顔をしていたのかが、しばらく理解できなかったニブイぼくではあったが・・・
やがて、ひとつのことに思い当たった。
(そっか・・・。じんちゃんは、本気でぼくと結婚するつもりだったんだ。でも、おやじが「しげおには、床屋の嫁さんでも探してやっぺと思ってるんさ。」なんて、じんちゃん本人に、ぼくの承諾も得ずに、勝手に告げちゃったもんだから、じんちゃんは失意のうちに、誰か他の男性と結婚したんだろう。お子さんもいるって、千葉ちゃんからさっき聞いたばかりだし。)
(じんちゃん、きっと怒ってるんだろうな。「しげおくん・・・あたしと結婚しないで独身でいたから、欲求不満で他の女の人に、おちんちんなんか見せちゃって。奥さんのあたしが毎晩相手してたら、そんなことにはならなかったでしょうに・・・。自分で人生を放棄して、おかしくしちゃったのよ、あなた自身で・・・。」って、そう考えているんだろうな、いまも。)
(ごめんな、じんちゃん。でも、もう、すべては遅すぎる。手遅れなんだ。・・・そこだけはわかってほしい。それに、ぼくには、美絵子ちゃんや洋子ちゃんとの因縁やいきさつもあったし・・・。許しておくれ。)
・・・結果からいえば、
このクラス会で、ぼくらが言葉を交わすことは、最後までなかった。
ひとことも会話しなかった。
じんちゃんは・・・
終始、不機嫌で不愉快そうな表情で、ぼくをうらめしそうにみていたんだ。
ぼくには、もはや彼女にかけてあげられる言葉など、ひとことも見つからなかった。




