表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/114

第59章:人生最後のクラス会(23):2016年11月開催のクラス会当日(7) 

 (・・・あっ、じんちゃん!)


 ぼくがまず気づいたのは、


 ちょっと前の、第48章で紹介した・・・


 「小林じん子ちゃん」だった。


 ニコリともせずに、まっすぐぼくをにらみつけている。


 (じんちゃん・・・。1991年以来、25年ぶりに会ったっていうのに、どうしちゃったっていうんだよぉ、そのおっかない目は。)


 なぜ、じんちゃんが、怖い顔をしていたのかが、しばらく理解できなかったニブイぼくではあったが・・・


 やがて、ひとつのことに思い当たった。


 (そっか・・・。じんちゃんは、本気でぼくと結婚するつもりだったんだ。でも、おやじが「しげおには、床屋とこやの嫁さんでも探してやっぺと思ってるんさ。」なんて、じんちゃん本人に、ぼくの承諾しょうだくも得ずに、勝手に告げちゃったもんだから、じんちゃんは失意のうちに、誰か他の男性と結婚したんだろう。お子さんもいるって、千葉ちゃんからさっき聞いたばかりだし。)


 (じんちゃん、きっと怒ってるんだろうな。「しげおくん・・・あたしと結婚しないで独身でいたから、欲求不満で他の女の人に、おちんちんなんか見せちゃって。奥さんのあたしが毎晩相手してたら、そんなことにはならなかったでしょうに・・・。自分で人生を放棄ほうきして、おかしくしちゃったのよ、あなた自身で・・・。」って、そう考えているんだろうな、いまも。)


 (ごめんな、じんちゃん。でも、もう、すべては遅すぎる。手遅れなんだ。・・・そこだけはわかってほしい。それに、ぼくには、美絵子ちゃんや洋子ちゃんとの因縁やいきさつもあったし・・・。許しておくれ。)


 ・・・結果からいえば、


 このクラス会で、ぼくらが言葉を交わすことは、最後までなかった。


 ひとことも会話しなかった。


 じんちゃんは・・・


 終始、不機嫌で不愉快そうな表情で、ぼくをうらめしそうにみていたんだ。


 ぼくには、もはや彼女にかけてあげられる言葉など、ひとことも見つからなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ