第19章:本当に楽しかった、参考書コレクションの日々(2)
・・・ぼくは、中年の「再受験生」であった。
学校で教えてくれる教師は、もうそばにはいない。
だから、当然のごとく、「まったくの独学」であり、
自宅や図書館での自主学習が基本となる。
予備校に入学して、強制的にカリキュラムを組んでもらうという学習手段もあったのだが、
とにかくぼくは、自分のペースでもって、自由気ままに学習したかった。
ぼくは、皆さんもご案内のように、高校生の終了時に、
一度、大学入試に失敗し、
国立大学への道は閉ざされている。
かといって、我が家の経済事情では、カネのかかる私立大学へも行けないので、
仕方なく、偏差値が非常に低く、学費も安い県立の、
母校「栃木県農業大学校」へ進学した・・・という経緯がある。
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・・・最初に、まずぼくが必要としたのは、
もちろん、「情報」。
現役時代には、模擬試験や共通一次試験(= のちのセンター試験)なんかを受ける手続きは、
すべて、母校の矢板東高校がやってくれていた。
しかし、
自分の都合で、センター試験なり、東大の二次試験を受けようとするならば、
まずは、こういった場合、
「受験情報」を集める必要があったのだ。
インターネットの情報では、数が多すぎて、かえって、ぼくがまっさきに知りたかった情報が探しにくいものだった。
もう、ブックオフに売ってしまったので、書名は忘れたが、
何冊かの「受験情報本」を買って、ぼくは、
再受験のための準備を、着々と進めていったのである。