第18章:本当に楽しかった、参考書コレクションの日々(1)
・・・ぼくの部屋にはいま、
無数の語学書があふれている。
東南アジアの言語を除いた、ありとあらゆる国や地域で話されている、メジャー言語の教科書や、マニアックな外国語の本が、本棚を埋め尽くしているのだ。
和書だけではなく、
英語で書かれた洋書の語学解説書も、かなりある。
中学2年の秋口に、ぼくは、矢板市にあった朝日書店という小さな本屋で、
ロシア語の本に出会った。
『常用 ロシア語会話ハンドブック』
いまはもう、残念ながら絶版であり、アマゾンの中古ぐらいしか購入手段は見つからない。
メルカリなんかでも、コアな語学マニアに人気があるので、そこそこのプレミアがついてしまっている。
これで、この本は2冊目。
最初に購入した1冊目は、
40年間大切に読んで保管し、いまも毎日のように眺めては、音読・暗唱を繰り返している。
旧・ソ連の社会主義時代に書かれた本なので、
シベリア鉄道駅、レニングラード、オデッサの海、赤の広場のレーニン廟などの古い地名や名所なんかの話題も掲載されていて、非常に面白い。
当時の定価は、750円。
これだけ安いのに、
文法解説も、なかなか充実しているし、
収録語彙も豊富。
おまけに、例文や表現だって、下手なロシア語の教科書よりも、自然で役に立つものばかりだし、コラムも興味深い。
それに加えて、
「ロシア語による正式な手紙の書き方」まで、懇切丁寧に収録されている(!)
だから、
ロシア語を志す方は、けっして持っていてソンはない、すばらしい教科書なので、ぜひ、この機会に中古で購入されてみてはいかがだろう。
(※)ちなみに、「オデッサ」はロシア語であり、いまは、ウクライナ共和国の領土になっていて、発音も、ウクライナ語では、「オデーサ」という。
「レニングラード」は、いまのロシア連邦の第2の都市、「サンクトペテルブルク」の旧称である。
・・・とにかく、こういった語学本が山ほどあるので、
果たして、ぼく自身が死ぬまでに、これらすべての本に書かれた例文を、暗唱しきって、全部自分のモノとすることができるのかどうかは、正直わからない(苦笑)。
ところが、
一時期・・・つまりは、東大合格を夢見ていたころの、ぼくの自室兼書斎には、
次の章から述べていくような、
大量の大学受験用の参考書も、あふれていたのである。