第16章:コレがうわさの「微分・積分」かぁ・・・。
・・・ぼくは、栃木県立矢板東高等学校を母校とする、元・高校生だ。
1年時の担任は、
現代文と古典の専門家・・・小森先生。
ぼくが東大進学をすることを、誰よりも信じてくださった恩師。
壊滅的に成績が崩壊しても、最後まで励ましてくださった、心根の優しい、名教師のひとりである。
「なぁ、キミたち。教科書は『飾り』じゃないんだよ。」
「そうなるとだな・・・どうすることも『アイキャン・ノット』だぜ。」
が、口癖の、ギャグにさえた面もある、なかなかひょうきんな教師。
その小森先生が、高校2年時のクラス替えの際、
「理系進学か文系進学か、就職か選べ」となったときに、ぼくに強く強く、「理系コース」を勧めてきたのだ。
「いいか、栗原君。文系じゃ、就職はないぞ。悪いことは言わん。理系の学部に進学しなさい。」
・・・先生のアドバイスを信じたぼくは、
その後、理系コースに進んだものの、
高校の難しい数学・物理・化学の授業に、すぐについてゆけなくなり・・・
途中で「文転」・・・すなわち、理系から文系に、180度「宗旨替え」したものの・・・
頼みの綱の「化学」も轟沈。
はじめからの文系ではなかったので、「生物」「地学」は選択できない。
・・・行ける国立大学が無くなった。
社会も、純粋な文系ではなかったので、
日本史・世界史・公民・現代社会が選択できず・・・
点数が極めて不安定で取りにくい、「地理」一択となった。
英語は校内トップなのに、
古文・漢文は、いつも赤点。
・・・そんな現役時代のぼくだったから、
高校2年の夏以降の数学の学習内容は、まったく記憶の外である。
「微分・積分?? 名前だけは聞いたことあるんだが・・・どんな中身なのかまでは、俺にはわかんねぇ。」
・・・そんなぼくは、
オトナになってからの「再受験」の際、生まれてはじめて「微分・積分」なるものの、本当の意味・内容を理解し、
まるで、子供のように、無邪気に感動した❤️