第99章:総括(17):負け犬の言い訳と、冷静なる自己分析(その8)
前章でぼくは・・・
恥ずかしながら、
ぼくの大学受験・・・東大挑戦にあたっての、
「致命的な欠点・弱点」というものについて触れてみた。
もちろん、
そういった、「科目についての現況・問題点」といったこと以外にも・・・
もっと深刻で、
現実的な課題も浮上してきた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
簡単にいうならば・・・
まずは、「カネ」の問題。
つまり、
仮に東大に受かった場合の、
学費なり、生活費ということ。
東大には、
「駒場キャンパス」と、「本郷キャンパス」がある。
・・・いずれも、東京。
ぼくが住んでいるのは、
北関東の栃木県矢板市。
日々の講義をきちんと受けようと思うのであれば、
東京都内や近郊にアパートを借りるか、
新幹線で毎日、まだ暗い早朝から通わなくてはならぬ。
・・・当然、帰宅は「午前様」ということにもなりかねないだろう。
たとえ「学割」がきいたとしても、
4年通うとなれば、莫大な旅費になるのは当然のこと。
それに、
東大が、いかに早稲田・慶応などをはじめとする私立大学よりも、
グッと学費が安い「国立大学」であろうとも・・・
最短、4年通ったとしても、
その学費は、けっしてバカにはならない。
教科書などの代金や、モロモロの必要経費も出て来る。
・・・ぼくには、
そういった「資金」「貯金」が、そもそもなかった。
いま現在、
ぼくは、54歳になるが、
これまで、「1円も」貯金した経験がない(!)
母は・・・
もし東大に受かれば、学費は出してくれると約束してくれていた。
が・・・
ぼくの2番目の弟が、半身不随の「身体障害者」となり、
その治療費や、彼の家の「リフォーム」に、
700万円以上かかったので、
その計画も、立ち消えになってしまった。
母はいう。
「おまえが、地道に貯金してこなかったのが悪い。あたしを頼るな。そんなに東大行きたかったら、自分で『苦学』して行け! 働きながら、バイトしながら学費を作れ!!」
・・・もっともなハナシである。
警備員として、
けっして給料は高くないけれども、
いちおう、働いて、カネを稼いでいる「社会人」なのだ。
母のカネを頼ろうとしたのが、そもそも間違っている。
「入試以前の問題」なのだ。
そして、
ぼくにトドメを刺すことになる、
「決定的な打撃」が、
東大への道を、永遠に断念させ、純粋な、
「多言語学習の日々」へシフトさせることにつながってゆくのである・・・。