心の慟哭 ー痛みまで、まっさかさまー
そんなはずはない
あんなに痛かったのに
無傷なのは
なぜなんだ
血が出たかと思うくらい痛かった
それなのに
なぜ毎回
血は出ないのか
疑う気持ちなんて
微塵もなかった
信じきっていたから
ためらいもなく押した
めちゃくちゃ痛かった
なのに痛みを飛び越えて
毎回 悲鳴も涙も出ない――
シャーペンを逆さに持っていることに気付かず
芯が出ている方を押して
『ギャー!』となった
逆さに持っていただけで
こんなにも事態は変わるのか
痛みまで
まっさかさま