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外道ゴブリンは邪神の下で  作者: 飛坂航
ゴブリンの集落
2/66

目覚め

 朝日を感じ、目を開けた。


 周囲から グキャッ、グキャッ という汚い鳴き声が聞こえてくる。


生まれたばかりだからか、はたまたこの体の目が悪いからかは判断できないが、取り敢えず周りの生き物が人間ではないことは、確定である。

 ふぅ どうやら、転生しちゃったらしい。


「グギャー、ギャキャー!」

(ふざけんなー!)


 いや、ね?そもそも、転生に同意すらしてないのに、魔物、それもドラゴンとか、フェニックスとかでもなくゴブリンとか。

 いやテンプレですけどね?


 それでも流石に、やられる側としてはクソ雑魚ゴブリンは無いわー、えぇ〜。


 普通に考えて、ゴブリンが主人公の物語より、ゴブリンが殺されまくる小説の方が多い。ゴブスレさんなんてゴブリン殺しが生きがいなのだ。


 他人の信条をとやかく言う気はないが、僕はきっと泣いてもいい。


 まあ、なぜ僕がゴブリンになったと知っているか、疑問に思った人のために説明しよう!

 ほら、思ってないとか言わずに。


 まぁ簡単に言うとこの世界のなんとなくの知識が邪神から与えられた訳ですよ。


 ともかく、それによると、どうやら僕は、ゴブリンに転生したらしい。


 段々見えてくるようになった目で自分を見てみる。


 うん分かってた。

 周りのゴブリンらしき魔物と同じく、緑の肌に汚らしい手、数多のゲームで雑魚キャラとして描かれた小鬼である。


 その知識によると、どうやら、この世界では、ラノベ界では割と頻繁にあるように、神と邪神が争っているらしい。 


 100年くらい前までは、それぞれ神が人族、邪神が魔族や魔物を使う代理戦争は、膠着状態にあったらしいが、神が異世界 (つまり地球)から、人間を召喚し、多くの魔王や、魔族、魔物たちを殺させ、かなり邪神側が不利になっているようだ。


 そのせいで、邪神の力の源泉であり、負の感情や、魔に属するものから放たれる瘴気が減ってしまい、追い詰められた邪神は、召喚された時に言っていたが、自分たちも召喚すれば!と思い、邪神に僕が転生させられたらようだ。


 余談ではあるが、僕は、今前世の自分に関する具体的な   名前などの固有名詞の   記憶がない。


 いずれゴブリンに慣れてきたら、記憶は戻るらしいが。


 何にせよ、今の僕の気持ちはただ一つ。

  

 ふざけんなーである。

 

 大事なのでもう一度言おう。


 ふざけんなーである。


 なんの関係もない僕を巻き込むな!というのが、隠されざる本音だ。もっとぶっちゃけるなら、世界の半分をくれるとかならやってもよかった。が、報酬の話はなかった。僕の偏見かもしれないが最初に報酬の話をしない依頼人は出来るだけ安く済ませようとする。


 転生が報酬?確かに、異世界転生物を読んで憧れた、なんて事はなくもない。


 しかし、僕が憧れたのは、異世界の人間や、エルフへの転生である。


 100歩譲ってドラゴンなど、ロマンのある人外は許そう。

 

だが、だかである。 


「ギャキャ、グギャーギャキキッ、グギャー」

(クソ雑魚種族に転生したいなんて、一言も言ってねーんだよ!)


 想像して欲しい。

 日本人1000人をゴブリンに転生させたとする。

 進化、驚く事にこの世界には、魔物の進化や、位階変異なんて物もあるらしい。


 ダーウィンも真っ青な超理論だけどそれは置いておこう。


 断言しよう。

 1000人のうち、3年以内に900人は死ぬ。

 残りの100人の内99人は、人間や、他の魔物に殺されるなど、諸々のゴブリンには抗い難い死に方をし、天寿を全うできるのは、1000人の内一人くらいだろう。


 それでも奇跡と言えるかも知れない。

 千分の一だ、0.1%だ。

 無理だろ!

 確かに、この辺りには強力な魔物はいないが、それでもゴブリンが生き残るのは難しい。

 

 ゴブスレさんなんかがいたら幼児のうちに死ぬこと受け合い。


 此処で君たち 誰だかわからないが の気持ちを代弁しよう。

 チートは?だろう?

 無論、ある。


 今罵声を上げたやつ、落ち着け。もしまともなチートなら、ここまで取り乱さないと思わないか?

 ずばり、僕のチートは…此処で説明するより見てもらった方がいいだろう。


「グギャーギャキ」

(ステータス)


 個体名 無し

 種族  ゴブリン

 年齢  0

 性別  男

 属性  無し

 位階  ベビー

 魔素量 G

 スキル

  限界突破Lv…

  成長率向上Lv...

  邪神の加護Lv1

 称号

<邪神の使徒><転生者>


 ハハハ、ステータスってずっと言ってみたかった。言えてないが…

 それはさておき、今の事で、チートが今の段階では、いかにしょぼいか分かっただろう。

 確かに、限界突破も成長率向上も有用なスキルではあるだろう。

 しかし


「グギャーギャキキッギーーグキャッ」

(成長するほど生きられないだろ!)


 では、邪神の加護はどうか。字面だけ見れば中々強力そうである。

 しかし、力を失った邪神の加護なんて、その効果は推して知るべしというやつだ。

 それにこれはどう見ても人間勢力から良く思われないだろう。


 というか討伐対象である。

 この世界でも人間の力は、無視できる大きさではないし、生き残るためには、なんらかの対策を取らなければまずい。


 というか、楽に死ねる。


 それに、ゴブリンとはいえ折角異世界に転生させてもらったんだ。強くなったり、色んなところ見に行ってみたりと、色々楽しい想像は尽きない。


 何より、僕は多分自分が踏み台になるのは、許せないタチだ。


イケメン勇者に初期の経験値として狩られるくらいなら、強敵として恐れられる方がずっといい。


 だけど…眠いっ もう無理っ、

 どうやらゴブリンも子供は眠いらしい。

【※読者の皆さまへ、大切なお願いがあります】


読了ありがとうございました!


少しでも、

「面白かった!」

「続きが気になる!」


と思っていただけましたら、ブックマークや評価を、是非お願いします!!!!


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今後も皆様に喜んでいただけるような、面白い物語を提供したいと思っています。

是非ともブックマークして、連載追いかけてくださいますと幸いです。


読者の皆さまのポイントが、ものすごく励みになります!


なにとぞ、よろしくお願いします!!!!!


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