表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外道ゴブリンは邪神の下で  作者: 飛坂航
ゴブリンの集落
1/66

プロローグ

初投稿ですので、暖かく見守っていただけると幸いです。


 眠りから覚めるような感覚で、僕はゆっくりと目を瞬く。


 さて、ここはどこだろうか。整った顔立ちの男たちが半円状に座り、僕に相対していた。


 この圧は裁判の証人喚問か、じゃなきゃ圧迫面接だ。


 ゴホン、と中央に座るイケメンがわざとらしく咳をした。


「さて、これで契約は成立だね」

「え?」

「いや、よかったよかった」

「これで世界は安泰だ」


 周囲の男たちが棒読みで追従している。


「えっと、なんのことですか?」


 僕がこの意味のわからない状況下で出来る最高の愛想笑いを浮かべて聞くと中央の男がそれを遥かに上回る笑みを浮かべた。


 チッ、これだから顔がいいやつは。


「君の同意の元転生させまーす」


 大仰に腕を振るいながらイケメンは言った。


「は?」


 転生ってあの?あれですか?賢い者の孫になってアルティメットマジシャンズとか言ってヘラヘラしてるだけで富と名誉が入ってくるあれ? 


「そうそう。その転生だよ」


 語尾にハートマークが付きそうな声もイケメンがやると魅力的に見えるから世の中不公平だ。


 もし僕が同じことをしたらファブリーズをかけられること請け合い。


「あの、理由を聞いてもいいでしょうか」

「ああ!そうだね僕としたことが忘れていたよ」


 芝居がかっていて気持ちの悪い男の仕草も顔により「気持ち悪い」から「不気味」ランクアップする。頼むから、イケメン、禿げろ。


 口々に側の男たちが話し始める。


「神々が召喚した勇者達のせいで世界からは負のエネルギーが減るばかり。我々の信仰者である人間や魔族も数を減らすばかりだ」


 すると他のイケメンも口を開く。


「魔王がちょと強いからって裏技つかいすぎ!」

「この世界の人間を使うならともかく、異世界人はずるいだろ!チートは使い過ぎるとつまんないだけだ!」

「この世界のバランスをなんだと思ってるんだ!」


 じっとりとした汗が背中を流れている気分だった。残念ながら僕の背中は現在感覚がないので実際に流すことはできないけど。感覚ないのかよ。


「それで?」


 答えるのは先ほどのイケメンだ。


 ものすごいドヤァ顔。ドヤではなくドヤァだ。


「ゆえに我々邪神も召喚をすることにしたのだ!」

「君には瘴気を撒き散らし、負の感情を増やすことで、我々に協力してほしい。」


 あっ邪神だったのね。って流させないぞ。

 全然テンプレどうりじゃなかったわ。というか嫌なんですけど。


「つまり何をしろと?」


この時、もっと気の利いたことを言ってやればよかったと、僕はずっと後悔することになる。


「取り敢えず、生きてるだけで瘴気は溜まるから死なない事を第一目標に強くなってくれ。」


 最初に話していなかった邪神 モブ邪神と呼ぶ が僕の疑問に答える。

 

 取り敢えずってなんだよ取り敢えずって気楽に転生させてんじゃねぇよ。


「まぁ記憶は戻るようにしておくし、ある程度の知識は与えるから」

「と言う訳なのでまぁとりあえず頑張れ」


 邪神がそう言うと、手を振り始める。

それに伴い、僕の意識は沈んで行った。


「いや、ちょおーい!」





「いやー行ったな」


 召喚した男が消えると邪神達は話を再開した。


「どーなるかな?」

「ていうかあいつ生きられるの?」


 モブ邪神と呼ばれた邪神達の疑問に、リーダー邪神が答える。


「元の性格はどうあれ、あの憎しみはホンモノだ。」

「あれなあれは良かったわー」

「心地いい憎しみだったな。」


 それに、とリーダー邪神は続ける。


「はっきり言って加護は与えたけど、呼んだのも、恩恵も、神の魔力を流用したから、いいんじゃね?別に」

「悪いなお前」

「最低だ」

「よせよお前ら照れるだろ?」


 そう、彼らは邪神である。

 だから悪い、最低と言った言葉はむしろ褒め言葉なのだ。

 つくづく業の深いやつらである。

 脱線しかけた話を戻すように、モブ邪神の一人が口を開く。


「いや、でも神と俺らの恩恵を、全てあれに回すとわ思い切ったなー」

「それな!初手で死んだら大損じゃん。」


 その言葉を受けてリーダー邪神が言った。


「仕方ないだろ、あいつら神(笑)の召喚した勇者(笑)に対抗するには、それしかないだから!」

「それもそうだな、結局少し見ているしかないか。」

「ま、楽しみにするしかないか!」



更新は、作者の都合により色々偏りがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

週に一度は、更新しようと思ってます。

末永く、本作にお付き合いください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ