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姫様の守護者は見習い勇者  作者: ゴーヤウリウリ
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1-8-1

1-8-1

「あぁー苦しい、お腹の辺りがどうも締め付けられる。変な物でも食べたかな」と寝返りを打とうとしても動けない。俺のお腹に確りと手を回し誰かが寝ているに気が付いた。またか、薄明かりの中目を凝らすと姫がスヤスヤと横に寝ていた。


寝ぼけた頭で昨夜の事を思い返してみると

姫には部屋から出るなと言ったのに、それなのにまたここに寝ている。

外から鍵をかけて監禁状態にするのは非情だと思って、出るなとだけ約束したけど、やはり無理だったのか。

俺も学校があるので起きたばかりの姫と深夜まで遊ぶわけにもいかないしな。


「あぁ、寝苦しいから、そう確りとくっつくな」と姫を俺から剥がすと、明かりをつけて部屋を見回しても荒らされていないし、寝ている姫の服も汚れていない。まぁ、昨夜は曇りだったのでヒスでも起こして暴れても大したものではないのだが、この事は事務長には黙っていないと拙いな。


姫は顔を近づけると無意識に噛み付く癖があるので

「おーい、姫様」と小声でスヤスヤ寝ている顔を指で突いてみても起きなかった。

時刻を確認するとまだ3時だった。

「くっそ、こんな時間に起きてしまった。いつもならぐっすり寝ている時間なのに。それにこれが朝の7時の元気な俺だと危ない、我慢しきれないな。明日から地下室に監禁でもしようか」と俺は電気を消したが、その後はなかなか寝付けなかった。


朝の7時に目覚ましが鳴った。最強に元気な俺が目を覚ました。ワクワク、ムラムラして飛び起きたが姫は隣にはいなかった。天国から地獄へ落とされ萎びれになったが、それより姫はどこに、地下室に戻る筈は無いと押入れを開けてみると可愛い顔で寝ていた。

「やった。まだいける」と勇気を振り絞って手を伸ばしたその時、不意に目を開けて、

「羊が狼を襲ってどうするつもりだ」と一言脅して、また寝てしまった。

俺は直ぐに押入れのドアを閉めると恥ずかしさの余り顔を赤くして学校に向かった。


1時間目が始まる前に朝食代わりの菓子パンを2つ食べ、授業が始まると俺はそれに集中し気が付けば午前中の授業は終わっていた。決して寝ていた訳ではない。

教室では俺が女の子と仲良く駅前を歩き、定職夜で晩飯を食っていたと話題になっていたようだが、そんな事を俺に話しかけてきた奴はいなかった。決して友達が少ない訳ではない。

もう直ぐ中間試験なので学校は午前中で終わりだ。早く家に帰って確り試験勉強でもしろと言うのか。姫がいる部屋だと気が散ると分っていたが、学校に残ってもしょうがないし、それに姫の事が心配だったので仕方なく部屋に戻る事にした


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