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姫様の守護者は見習い勇者  作者: ゴーヤウリウリ
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1-1-1

いつもの勇者と姫と魔獣等が出てきます。

少しギャグを入れた作品をと考えています。

週1話ぐらいで更新予定です。


奥手な勇者の恋の相手はモンスター も連載中です。

https://ncode.syosetu.com/n8238ec/


通勤や通学の途中にでも読んで下さればと思います。

意見などをお寄せ下さい。

1-1-1

この奇妙なマンションの3階に急に引っ越して来て数ヶ月が経った。

この部屋は多額の借金を返済しているニコニコローンの強面の事務長に世話をして貰ったのだが、2Kで電気、水道、ガス諸々込みで驚きのこの安さだ。

さらに家賃は特に手出しをしなくても仕事の報酬から差し引いて貰らっているので気にはならない。

不満は外見の他には強いて言えばスマホやテレビの電波の受信があまり良くない事だろうか。それも俺には些細な事だった。


都内でこんな安い家賃だと他に住居人も多く住んでいるのだろうが、学生の俺と生活パターンが違うだろう偶然にエントランスで数人見かけたぐらいで余り住居人には会わない。

住居人が少ないのは少し外見が異様なせいだろうか、確かに古い建物でドアや窓の建付けも悪くなっているし、それに部屋の作りも独居棒や病室みたいに質素だ。

でも、その代わりに作りは確りしている。部屋の壁が厚くて隣の話し声などの生活音は全く聞こえない。とても静で夜はよく寝られる。


友達にこのマンションに住んでいると話すとこのマンションを知っている者は

「えぇー、あのマンションに住んでいるの、でもあの廃墟のマンションね」

「墓場みたいなマンションね」と誰も遊びに行くとは言ってくれない。

でも、逆に訳ありの俺にとってはそれがいいのかもしれない。


ただ、俺が気になるのは、そんな事じゃなくて、この部屋を借りる時に事務長から

「お前がエレベーターで上がっていいのは5階までだ。間違ってもその上の階には決して行くな、命の保証はしないぞ」と脅されたが、その理由は未だによく分からないままである。

エレベーターのボタンを見ても上は5階までしかないし、非常階段から上がろうとしてもドアは鍵が掛かり硬く閉まっている。

確かに外から見ると上の階は見えるのだが全ての部屋の雨戸は閉まっている。その上の階には誰が住んでいるのだろうか。

俺はそんな奇妙なマンションに住んで学校や仕事に毎日バタバタしながら暮らしている。


___

夕方になると駅前の雑居ビルの3階にあるニコニコローンの看板にいつもの様に明かりがついた。夜の営業の始まりだ。

このローン事務所の営業時間は24時間だが特殊な闇金融なので余り知られていないし、一般の人には融資もしていないのでお昼は開店休業状態だ。

そして、ここに来るお客さんは一癖も二癖もある特殊な人だけである。

簡単に説明すると、あちらの世界で借金をしてこちらの世界に戻って来た人がその借金をこの事務所を通して闇の組織に返済をしているのだ。

ただその仕組がどうなっているのかは誰も知らないし、知ろうとしてもいけない。


そして、この事務所には強面の事務長と何時もニコニコと愛想のいい事務員が働いている。

誰もこの二人の詳しい事は知らないが、強面の事務長は

「地獄の借金取り」とか「悪魔の借金取立人」とか呼ばれている。

何故なら、今までこの事務長から逃げ切った奴がいたかどうかは誰も知らないが、借金を返済しきれずにこちらの世界、いや、この世から消えた人が多くいるのは知られていた。


そんなローン事務所に俺は借金の返済のために報酬のいい仕事を貰いに毎日通っているのだった。



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