がんばれサイトウ
俺はハワイのぽっちゃりした警官に囲まれてなんか色々触られて思いっきり顔を踏まれた。
地面に横たわった状態で上を見上げるとそこに思いっきり右手を振りかぶって俺を殴ろうとしているのが見えた。
俺は素早くかわして体全体に力を込めた。そしてフリーざに殺されたクリリンのことを思い出した。すると全身にパワーが湧いて来てすーぱサイヤ人になることができた。
反撃開始だ。そう思ってぽっちゃりに突っ込んだ。するとナメック星らしきところが急に大爆発を起こした。
くそオラまだ瞬間移動は使えねーぞ。だめだ、絶体絶命と思ったところで目が覚めた。
どうやら夢のようだった。俺は取調室的な所で両手に手錠をはめられていた。
俺が目覚めたのに気づいたらしく数人のぽっちゃりが取調室的なところに入ってきた。
ミスターサイトウ。オゲンキデスカ?そこまで日本語で話しかけてきたがそこから先はものすごいスピードの英語とものすごい怒りの表情だった。正直俺が手錠をつけなければいけない意味がわからなかったが。とりあえず日本語喋れる奴連れてこい。お前らとは話にならん。ぽっちゃりの英語の問いかけを全てノーで答えていた。
しばらく地獄のような時間をやり過ごしていた時、一人のおっさんが取調室的な部屋に入ってきた。そのおっさんは頭頂部がハゲていてメガネをかけたどこかの企業の窓際係長みたいな風貌だったがそこにいたぽっちゃり二人が突然立ち上がり敬礼をしている様子を見ると、どうやらお偉いさんのようだった。その係長はぽっちゃりに出て行くように言ったのかぽっちゃりが部屋を出て言った。
なんか部屋の気温が下がった気がした。
その係長が何も言わず俺の手錠を外してくれた。彼は急激なストレスによってハゲてしまった親父だった。そして俺に逃げるぞサトシと言った。
そもそも親父のせいでこんな目にあっているのだから事情を話せと思った。恐らくここは警察署だろう。ここから逃げることなんてできるのだろうか。親父と俺のメタルギアソリッドがハワイで始まった。
部屋を飛び出して出口に向かいながら、親父は日本での特殊部隊隊員で主に潜入が仕事だと言った。
親父の愛人である外国人を餌にしてハワイのマフィアの情報を掴むためにハワイに潜入捜査しに来たが作戦は失敗してしまったみたいだ女には逃げられ俺たちは逮捕される。まさに最悪の展開だ。
親父に聞きたいことがたくさんあったが俺たちの前方に人の気配がした。
親父はダンボールをすっぽりと被りダンボールになった。慌てて俺もダンボールと心を一つにした。
ゆっくりと人が近づいてくる。どうやら誰かと電話をしているようだった。
そいつはちょうど俺たちのダンボールの前で止まった。見つかってしまったのかヒヤヒヤしているとダンボールが凹む音がした。俺はちょうど取っ手になる部分に空いた穴で状況を確認してみた。親父のダンボールにものすごいぽっちゃりが座り込んでいるのが見えた。親父も取ってから前方確認をしているようだったが目つきが尋常なく辛そうだった。ダンボールの中で親父が四つん這いになって耐えているのを想像した。これは辛い。頑張れ親父。そう思った。親父は涙を流してまだ耐えている。
電話をしていたぽっちゃりがおもむろに立ち上がりクソビッチがあああと叫びながら親父のダンボールに蹴りを入れた。すっきりしたのかぽっちゃりは走っていったのが見えた。俺はダンボールから心を離し親父に声をかけた。大丈夫か。親父は平然とダンボールから出て来てトランスしていれば何の問題もない。そう言った。涙を流してケツを片手で押さえながら。
親父は上にある排気口に入ると言って先ほどのダンボールからよじ登って言った。サトシついてこいと言われ俺も親父について行った。親父は悪い奴なのか?俺は疑問に思った。今俺たち親子はリアルメタルギアソリッドをしているが、このまま逃げ切れると思っているのだろうか。親父は任務に失敗は許されないと言った。またあの外人を捕まえに行くのか?どうやら親父はまだ諦めていないようだった。まずはこの警察署から逃げ出す。そのあと安全な場所で日本の基地に状況を報告するのだとケツを抑えて匍匐前進しながら言った。しばらく進んでいると声が聞こえて来た。別の部屋で取り調べが行われているようだった。外人が毒ガステロの犯人を探しにいけーと叫んで、その後すぐああああとボコボコに殴られている音だけリアルに聞こえて来た。お気の毒にと思ったがその叫び声はなんか嬉しそうだった。
俺たちは更に進んで行くと光らしきものが見えた。そこで親父の動きが止まった。
あそこから外に出られるかもしれない。気がつかなかったが俺たちがいるフロアは3階ほどの高さであるようだった。
ここからは出られない。せめて2階に降りなければ無理だ。親父は一度排気口から出ると言った。今までの時間は何だったのか。ちゃんと考えてなかったのか。とすごいがっかりした。
親父は狭い排気口の中で方向転換した。俺の目の前に親父のハゲ頭が来た。びっくりして声が出そうになったが、親父はそんな俺を踏み潰しながら何事もなく進んで行った。ストレスが溜まった。そこはこらえて俺も方向転換して親父について行った。排気口の中で入った場所と別の出口を発見してここからとりあえず2階の同じ場所に行くぞ。と作戦発表して親父と排気口から出た。今回の俺たちの装備品はもうない。ダンボールがあれば何とかなったかもしれないが。俺たちは走るしかなかった。
階段を見つけたぞサトシ。このまま降りれると思ったが階段を登ってくる人の気配を感じた。
やばい見つかる。俺は取調室から脱走したことで捕まった時さらに罪が重くなるのではないかとビビった。
もうだめだ。そう思った瞬間親父はその外人に向かって敬礼をしたのだ。その敬礼は窓際の人間ができるような半端なものではなくむしろとある会社の部長クラスがする威圧感のある敬礼だった。その外人も敬礼を返して来て俺たちは何事もなかったように下のフロアに降りることに成功した。俺はこのまま出口まで強行突破できるのではないかと思った。あの親父の敬礼があればきっとできる。親父はノリノリになっていた。
サトシこのまま出口まで突っ込むぞ。親父の背中が気がつくととある会社の取締役クラスになっているのを感じた。
俺たちは1階まで全力で降りた。そこには多くの一般人らしき人たちがたくさんいてこの人混みに隠れれば余裕で抜け出せると思った。ゆっくりと誰にも悟られないように確実に出口に向かって歩を進める。
時折外人に指をさされて笑われているのを感じた。目の前に出口が見えた。逃げれる。
俺は嬉しさのあまり親父の顔を見た。親父の顔面はものすごい真っ黒になっていた。これがにがーというものなのか。
あっさりと俺たちは脱出に成功した。とりあえずひたすら走ってハンバーガーショップに逃げ込んだ。二人で顔を洗って、とりあえずハンバーガーにすることにした。俺はずっと食べたかったのだ。
親父は靴下の中からクッサいお金を取り出して特大のハンバーガーを注文してくれた。少し落ち着いたところで何で俺たちが捕まったのかを聞いてみる。しかし親父もわからないようだった。おそらくテロリストと勘違いされてしまったのだろうとだけ教えてくれた。日本の基地にとりあえず作戦の報告をしなければならないと言った。そうすればハワイの警察の誤解も取れるだろう。
親父はハワイに親友が一人いるからそいつのところにまずは向かう。サトシには悪いがもう少し頑張ってくれとだけ言うのだった。ハンバーガーを食べ終わる頃、ハンバーガーショップにある大きなテレビで俺たちが緊急ニュースになっているのに気がついた。ニュースにはとある巨大組織のマフィアの一員がハワイで事情聴取中に脱走したというような内容だった。そこにいた奴らはまだ俺たちだとは気づいていない。
俺たちはハンバーガーショップから外に飛び出して一台の車に向かって行った。親父は手慣れた手つきで車のガラスを割って鍵を開けた。どうやら車を盗んだことが何回もあるようだった。親父の背中は気がつくとヤクザの鉄砲玉のような寂しさを醸し出していた。
そして俺たちはハワイでリアルグラセフをやることになった。そこからは意外と順調に車を飛ばしていた。一時間は走っていたであろうか。親父が人などいないような山道で車を止めた。ここからは歩いて行くと言った。
この先に親父の親友の家があるらしい。険しい山道を二人で進んで行くと大きなペンションのようなものが見えた。
親父は安堵の表情を見せた。どうやらここが親父の親友の家のようだった。俺たちはクタクタだった。
親父が家のドアを叩いた。マイク。少し困ったことがあった。お前に会いたくて仕方なくなってしまってな。飯と風呂とトイレを貸してくれ。マイクよ。
しかしマイクの反応はなかった。どうやらマイクはいないらしい。
ドアノブの下らへんに買い出しに行っています。とキタねー日本語で書いた看板が刺さっていた。
親父の背中はヤクザの鉄砲玉としての役割を果たす前のような雰囲気を醸し出していた。