ミオネラ、君を愛してる 共通①
――――すべては憎しみあう二つの星から始まった。
大統領がおさめる愛無き星ラブリクア、もうひとつは王が統治する愛の有る星ラブアリア。
発端はラブリクア星のエネルギーが、突如ラブアリア星に吸い付くされ枯渇したことだ。
元は同じ力から生じる二つの星は統合されラブラクアとなる。
しかし上半球はラブアリア、下半球がラブリクアと未だに別れている。
そんな動乱の時代、なんとかするため、ある少女が立ちあがる。
名をミオネラ=ミュウバン。女神ミニュルヴァの生まれ変わりとされる聖女だ。
彼女は惑星ドゥーブルフロマージェにある魔法学園にいき、愛の力を集めにいくのだった。
◆
「はあ……どこのピックアップだよ……」
ミオネラはため息をついた。
「なんでただの民間人の私が聖女?」
ミオネラの父はラブラクアの一般のサラリーマン、母は専業主婦。
ラブラクアは外来の団体がくるが、基本無宗教なので彼女が教会にいた覚えもない。
女神の生まれ変わりの聖女、というのも大統領のでっちあげだ。
『愛エネルギーってどうすればてにはいるんですか?』
『昔シャカシャカリーンというアニメがあってだな』
『で、どうするんですか?』
『古いネイティブな時代の伝承では本気の恋をすれば星が満たされるとある。天使マーベルの復活だとか。まあ私は天使やら神なんぞ信じていないが、藁にもすがるというだろう』
『はあ……』
◆
転校しても女神の生まれ変わりなんてこの魔法学園じゃザラ、近い時期に王族も転校してきた為にとくに騒がれなかった。
私は人見知りするタイプではないから、普通にしていく。
「おはよう」
というと、皆が挨拶を返してくれた。
「おはよ……オレはキューフィー=アルミナティっていうんだ。よろしくな」
「こちらこそよろしくねキューフィー君」
「君なんてガラじゃねーよキューフィーでいいって」
「……あんたが最近転校してきたっていうミオネラか?」
「そうだよ、おはよう」
あくびを噛み殺し、ユルンズは軽くうなずいた。
「こいつはユルンズ=シラルダ、まあオレのダチだ。よろしくしてやってくれ」
「うんよろしく、ユルンズ君」
「……ああ」
嫌われてはいないみたい?