魔法学園の女道化師 共通1道化師のコロッセオ
魔法使いを志すものならば知らない者はいない名門プリマジェール魔法学園で授業中に居眠りをする生徒が一人。
「あてっ!」
風船がパァンと割れる音に驚き、女子生徒は驚いて机に額をぶつける。
「俺様の授業で居眠りか、いい度胸だなぁ」
先程の風船破壊は教師がやったことであり、理由は説明するまでもなく明らかだ。
「ごめんなティーチャイルドシート。チューするから許してチョコレート!」
「しなくていい。というかチョイスが古い」
彼女はレッティーヌ。サーカスを経営する父の影響で、将来は女道化師を目指している。
クラスのムードメーカー的存在で、入学三ヶ月あまりで早くも彼女の教師とのコントが名物となっていた。
「ガー!」
「こらガーガー、出てきちゃメッ!」
使い魔の小型な白竜がレッティーヌの頭に乗り出す。
「まったく……」
◇◇◇◇◇◇
「お昼~」
学園の外に出て食べたいものを適当に探そう。
「おう、どこ行くんだ?」
「先生、街へ行くんですけど何がいいと思います?」
「俺も行くよ、お前あぶなっかしいからな」
「シチュー専門店か……」
「シチューくらい家で作れよ」
と先生は言うけれど冬になって今年は一度も食べていないから、ここで食べちゃおう。
「いらっしゃいませ~」
「シェフのおすすめシチューくださいなっ!」
ママと行くレストランでは茶色いのしか食べたことがなくて、白いのはめったに味わえない。
「家庭料理の定番ホワイトシチューはいかがですか?」
「あ、それ食べたい! とりあえずブロッコリー入ってるのがスタンダードなんでしょ?」
憧れてたんだ……パパがたまに作ってくれる田舎の家庭料理はパパがブロッコリー嫌いで抜きなんだもん。




