11/12
偽りの恋 共通① ミスコン女王争奪戦
「はあ……」
私はここ最近は鏡をみて、毎朝ため息をついている。
魔法によって姿を男に偽り、話し方を変えて心も偽っているからだ。
父はパレッティナという皇国の第3皇子で母は流しの踊り子だった。
正統な皇子は一番目が病気、二番目は即位して当日スピード退位した。
先代は放浪の旅、そのせいで継ぎの皇位継承者がいないらしい。
だから内々に私が継ぎの皇候補にあがっていて、それが知れれば求婚者が現れる。
物理的に男が女の求婚を断るのは容易い。
しかし私がそうだと知らされたのは最近で、護身術など習ったことはない。
だから学園で魔術を使えるように鍛練する事を進められた。
それだけなら男装は必要なかったのだが、次代女王は皆のアイドル。
という風潮から、念には念を入れて恋人はまったく作らないようにと大臣達から指示をうけた。
両親が人質にとられていて、私は女王になるしかない。