何がどうして、こうなった?!!
これまでのおさらいみたいな感じ
誰か、僕をおもいっきり殴っておくれ。
だって、僕は今、夢のような体験をしているんだ。
とてつもなく美人で格好いいと思っていた初恋の人に抱き締められているなんて夢みたいだろう?
いや、これは本当に夢なのかもしれないな!
ええと、こういう時は今までの事を振り返ろう!
冷静に、冷静にと思いながら今までの事を振り返る。
僕の名前は新島夏希 にいじまなつき。
ドアマンをしている。僕は「お客様のために」という情熱と供に毎日働いている。
そして、今日も変わらず精一杯働くぞ!と気合いを入れた。
うん、ここまでは普通だ。いつも通りだった。違うのはこの後だ。
先ず、僕は仕事中に恋に落ちた。
初恋だったが、身分差がありすぎるからと告白すら諦めていた。
そして、数日後、彼……レオンハルト・フォン・ダイア様から呼び出されて驚いた。
しかし、チャンスだと僕は思って、せめて「かならず一流のドアマンだと思ってもらうんだ!!」
と決意して、部屋へと訪れご要望をお聞きしたところ……
告白をされた。
いやいやいや!!?
どうしてそうなった!?
冷静に、彼の言葉を思いだそう。
「私の名は、レオンハルト・フォン・ダイアだ。君にはレオンと呼んでもらいたい。」
「は、はい!レオン様。私は新島夏希と申します。そ、それでどのような御用件か伺ってもよろしいでしょうか?」
うん。ここまでは良い。
「ああ、すまない。……単刀直入に言おう。私は、君を初めて見た時から君を好ましく思っている。」
……ここも見方によっては告白じゃあないな。
問題は次だ。
「好きだ。付き合ってほしい。私ならば君を幸せに出来る。お願いだ。イエスと言ってくれ。」
……はい!ダウトオオオオオオオオ!!
これは本当に告白だ。
そんでもって夢だ!夢に違いない!!
だって、身分差とか色々考えたらありえないでしょう!?
まあ、落ち着け。僕。
さらに、問題なのは次だ。
悩んで答えられないでいた僕に、レオン様は
「すまない。困らせてしまったね。私から告白したのでは、断りにくいのにね。いや、いいんだよ。言っておきたかっただけなんだ。男に告白されても気持ち悪いだけだよね。」
自嘲するように笑うレオン様を見た僕は、つい言ってしまったのだ。
「いいえ!僕も一目惚れでした!しかも、僕はレオン様が初恋です!でも、僕とレオン様では立場が違うし、僕がレオン様に出来る事だって何もないし!でも、僕はレオン様が好きなんです!初恋は叶わないっていうけれど好きなんです!僕はレオン様の事をほとんど何も知りません!レオン様の事を知りたいし、僕の事も知ってほしいんです!!」
って………………うっわー、僕はなんて事を口走ってしまったんだ。
そして、フワリとレオン様の腕に抱き込まれてしまう。
「とても嬉しいよ。私が初恋だなんて。しかも、私と同じ一目惚れだなんて。これは、きっと、恋の女神が私達を引き合わせたんだよ。君の告白を聞いたら、手放すなんて出来なくなってしまった。どうか、私と付き合って?そして、お互いを知っていこう。」
そして今、まさに彼によって抱き締められ、彼の腕の中でウットリしているのが、今の僕だ。
あああああ!!?
全然、冷静になれないイイイイ!!!
と、取り敢えず、返事だ。僕。
「は、はい……」
って、ちっがーう!!
了解しちゃ駄目だっていうのに、僕の口は素直過ぎたようだ……
「そうか!とっても嬉しいよ!」
輝くような笑顔で言われては、もう断れないだろう。
いや、僕に断るなんて選択肢は最初から無いんだ。