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初恋を知る
数日前
今日も、僕はいつも通りドアマンとしてお客様をお出迎えしていた。
すると、黒いリムジンが玄関の前に停められた。
別に何も驚くことではない。
何故なら、このホテルでは高級車に平然と乗れるような富豪ばかりだからだ。
僕は決して乗れないだろうと思いながら、いつも通りお出迎えしようとした。
しかし……
そのリムジンから出てきたのは、これでもか!というくらい美しくて、格好いい男性だったのだ。
腰まで届くほどの金髪は、耳の下辺りで遠目でも分かるほど質の良い青いリボンによって結ばれ、太陽の光を受け輝いている。
瞳は透き通った青。
その瞳は凛とした意志を感じさせ、その瞳に見いられる人は数知れないだろうと思わせる。
薄い唇からは、形の良い歯と赤い舌が時々顔を出し、人々を魅了する。
スッキリとした鼻を持ち、肌の色は白く張りがあり、服の上からでもわかる様な綺麗な筋肉が見る者の目を奪う。
そして、その肢体を包む服も様々な富豪達を見てきた夏希でさえ唸らせるほど質が良かった。
ようするに、その魅力的過ぎる男性に僕は一目惚れをしてしまったのだ。