~婚約破棄~
ビアンカは、嘆いていた。なぜこんなにも世間は無情なのかと。。
婚約破棄をされたのは少し時を遡り3週間前である。
「こんな女とはもう二度と顔を合わせたくない」
そのように、我が国の第二王子シャリレオンは言った。
彼とは昔からの付き合いがありこの男の妻となり国を支えるのかなと思っていた。そのため食事のマナーはもちろん王宮学園での成績もトップ10には必ず入っていた。魔法こそ攻撃魔法系の才能がなかったためその分は治癒魔法を学び、剣術は上の下に食い込むほどの鍛練をつんでいた。更に趣味としても、古代から現代ものまで読む無類の本好きであった。だからといって人付き合いが苦手ということもなくユーモアもたしなみ周りと調和しつつ事前に諍いの種は潰しておくという徹底ぶり。
ただひとつ欠点があった。
それは、周りからの嫉妬には気づけなかったことと、嵌められたことに気づくのが遅すぎたことである。
第二王子に、告白されたあと身に覚えのない罪が読み上げられた。あまりの同様に声もでなかった。いや、出せなかった。もし、ここで第二王子をたぶらかしたの女性もしくは、黒い噂の絶えない大臣がこの席にいたら気づくのが遅れることもなかったのだが彼らの方が残念ながら一枚上手だった。
ここ数年第二王子が留学で全く顔を会わさず、昔ほど情がある訳でもないことと第二王子が人を見る目のなさ等無能ぶりを挙げたらきりがないが悲劇とも言えよう。
この国では第二王子は、比較的自由に動ける上にそれなりの権力を持つことができた。親や、兄からの干渉もない。
次々と証拠を出され挙げ句の果てには申し開きはさせないと釘を刺され(ハンサムではあるけど、昔から無駄に正義感強かったよなー/ビアンカの後日談)トントン拍子に責められ今なら追放処分で許すと言うだけいって部屋を出ていった。
婚約破棄は、「ひっそりとお二人で」という助言を彼らがしてたこともありよく考えることができる人は席にいなかった。彼らが用事をつくって有能な者達はその部屋から出払っていた。
翌日にはなぜか町にも噂が広がりさらに悪化していき家に石が飛んでくる始末。もしかしたら精神系の魔法を蔓延させていたのかもしれない。そして今日第二王子は婚約をし、来月には挙式らしい。
気晴らしに裏口からベテラン執事を仕えて森の方を散歩していたときである。
周りを囲むように木が光った。
ビアンカは、「あっ、雷が落ちて死ぬんだ」と思いながら意識を失っていった。