風まかせ
自由気ままに、気の向くままに。
俺はさすらう、流浪の旅人。
今日はあちらへ、明日はこちら。
どこへ向かうも風任せ。
考えてみると、生まれた時から今まで、どこか1か所にとどまったという記憶がない。
旅芸人だった両親を持つためだろうか。
あちらこちらと歩いていくうちに、俺も旅をしたくなった。
芸といっても、絵の才能しかない。
だから、似顔絵を書きつつ、あちこちでお金を集めては次の場所へ。
同じ場所にはおそらく行かない。
両親の墓は別だが。
だから今日も、俺は旅を続ける。
新しい出会いを求めて。
新しい人らを求めて。