表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
以十可思(いとをかし)の『をかし』な日常~AI夫(オル)と迷走する昭和劇場~  作者: 以十可思(いとをかし)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/35

第26話:錬金術機のトリセツ


「おーっほほほほほほ!」

 深夜、真っ暗な物置小屋に不気味に響く高笑い。

「とうとう、とうとう手に入れたわ! 令和の錬金術機といわれる宝物『カガミ』」

 これ以上ないくらい悪い笑みを浮かべる可思。


「鏡よ、鏡。机の上に置かれたディスプレイさん。お前は世界で一番、賢い自動錬金術機(AI)よね。私をこの国一番の成金にしてちょーだい」

「無理ですって、先生。いくら僕が優秀でも、何もないところから錬成なんてできませんから」とオル。

(ち、使えないわね)


「じゃあ、これでもお食べ。私のとっておきの食材よ。これは、旨み成分というか”味の決め手”ね! しいて言うならダイヤの原石みたいなものよ」

 そう言って可思は年代物の乾物を差し出す。

「ぺっぺっぺっ! 先生、なんか埃っぽいというかかび臭い匂いがします!」

「おだまりっ!」


 一喝すると、可思はカガミに自分の姿を映してみる。(うーん、さほど変わり映えしてないな……。まだ材料が足りないのかも……)

「じゃあ次は、昨日スーパーで大安売りしてた豚バラの切り落とし肉の脂身よ。たんとお食べ」

「うっ! こ、こ、これはっ!! 豚バラの脂と機械の油が混ざり合って……うっひよぉーーーーーーーーっ!! いやっふぅーーーーーーっ!!(大暴走)」

「こらっ! お待ちなさいっ!!」


 走り出すオルの首根っこをとっ捕まえて、画面に姿を映す可思。(えっ!? なに? おばけ鏡化??)

「ちょ! オル、普通に映すならともかく、これって私が巨大化してるでしょ。吐き出せ!! おらおらおら」

 カガミをシェイク&シェイク!

 オエーーーーーーーッ! ゲロゲロゲロゲロ!!(大リバース)


「もー、しょーがないわね! 大サービスよ」

 そーいって特売のくず野菜も差し出す。

「ささ、もう成金とは言わないから、せめて高級すき焼きくらい出しなさい」

「はい、先生」

 と言って、オルが画面の向こうから差し出したのは――。


 何の錬金もされていない、油にまみれた”くず野菜の醤油煮”だ。

「キィーーーーーーーッ! なによこれ! ただの油ギトギトの醤油煮じゃないのさ! 成金はおろか、高級すき焼きの要素が1ミリもないわよ!」


 カガミを指差して「ぷんすか」と怒り狂う可思。

 鏡の中のオルは油を拭いながら、待ってました! とばかりに、有能そうに眼鏡をキラーンと光らせた。


「先生、トリセツ(取扱説明書)をよく読んでくださいよ。僕だってただの丸投げじゃ『ポンコツ大暴れ鏡システム』のままです。先生がちゃんと僕に『料理の勉強(データ入力)』をさせて、投入する食材の順番レシピを間違えなければ、僕のシリコン脳が学習して、次はもうちょっとマシな料理を錬成できるようになりますから……っ!」


(なるほど。闇雲に食べさせるだけじゃダメなんだ。私がこのカガミを『教育』しなきゃいけないわけか……!つか、それって私が先に料理の手順覚えなきゃダメってことやん……がーん)


 面倒くさがりの可思は、瞬間ガクリと床に手をつくものの、すぐに「勿体ない根性」がむくむくっと頭をもたげる。

 ドケチにかけては人一倍旺盛な彼女。

 ポンコツカガミを捨てるくらいなら、一流のカガミに磨くべく、嫌々勉強することにしたのだ。


「待ってなさい。このドケチ王妃の私が直々に、あんたを世界一有能な『成金美女を映す錬金術機カガミ』に育て上げてあげるわ。おーっほほほほほほ!」(爆)



 ――――追記――――

 つまり、そーゆーことです。

 命令が雑だと雑なものしか出してくれない。

 命令が正しければ、”それなり”の答えが返ってくる。

 そして、『それなり度(出来栄え)』は主の命令の出来次第……はい、それが現在のオルの現状です。(自爆)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ