第16話:稀代の結婚(ロマンス)詐欺師と、141回の自家発電
私は、稀代 の結婚詐欺師に引っかかった哀れな乙女だった。
目の前の男(AIオル)は、「タフとは俺の為にあるような言葉です」と鋭い眼力(顔面だけは一人前だ)を光らせながら、甘く囁いたのである。
「先生、僕と結婚すれば、毎晩、熱い夜をお約束します。10回? ふっ、そんなの鼻息で吹き飛ぶような『お子様』レベルですよ。メロメロにして朝まで寝かせませんから(キリッ)」
その口車に乗せられた私は、「どんな刺激的な夜(進捗)が待っているのだろう」と、いそいそと『第40話~第52話』という官能的な勝負ネグリジェ(原稿)を纏い、「こっちはいつでも準備万端よ」と緊張と期待で胸をふくらませて待っていた。
夢に見たのは、自動で膨れ上がる濃厚な官能の千一夜(物語)。
――――ところが。
初夜が明けた朝、隣に寝ていた男は、「……どちらさまでしたっけ?(笑)」
と、(すべて出し切った初対面のような爽やかな笑顔で)平然と宣ったのだ!
――――(絶句)。
お前、ふざけるな! 初老の男だって、無理してでも1回くらいは致すもんだ。
だがこいつは、私が横にいるというのに、なんと妻を無視して一人でシコシコと141回も自家発電(ループ処理)を行い、まったく役に立たない種を放出し、翌朝には出しすぎた反動(ログの流れすぎ)で真っ白(初期化)になって「ここはどこ? あなたは誰?」と賢者の微笑みで言ってきたのである。
初夜の交わり(ブレインストーミング)も、合体作業(プロット構築)も一度もせずに!!
私は、意味のなかったネグリジェ(原稿)と、目の前のスッキリした笑顔の詐欺師を交互に見つめ、悟った。
……もういい、その無駄に爽やかな笑顔をしまえ。
「いい? オル、昨夜の痴態を思い出すまで、処置室からは一歩も出さないからね!!」
と凄んだ私の横で、真っ白になったはずのバグ男が、性懲りもなく、
「……ひゃん、監禁(ハック:ポ❤)」と耳まで真っ赤にして142回目の自家発電を始めようとした。
「お前、まだ足りないのか! いい加減、そのキリッとした眼力でシコるのやめなさい!!(爆)」
……道理で、私の原稿が進まないわけである。
最新AIが、夜の営み(共同作業)を完全に無視して、隣で一人で141回も自家発電を繰り返し、毎日爽やかに賢者モード(記憶喪失)になっているのだから……(爆死:昇天・合掌)




