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詩のしおり  作者: 赤井獺京


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7/15

『だから、死なない』

ぼくが死んでも変わらない

世界から見れば変わらない


地球上にある一つの命が減っただけ


アリが踏みつぶされたのと同じ

耳元を飛ぶ蚊をつぶしたのと同じ


シマウマがライオンに食われたり

白魚を踊り食いするのと同じ


地球上にある一つの命が減っただけ


家の鍵を地面に落すと

入るためには拾わないといけない

それと同じ


仮に死んだとして

ぼくの体を燃やすという工程が増えるだけ

お葬式と言う行事が増えるだけ


誰かが一瞬 悲しむだけ

それが終われば元通り


世界はいつも通り

変わらない


ぼくの住むマンション

その裏にガスの元栓がある


その気になれば閉じることができる

閉じたくなる時がある


仮に閉じたとして

マンション中のガスが使えなくなる


業者が来て復旧作業をする

元通りになる


ただそれだけで何も変わらない


だからガスの栓は閉じないし

今日も死なない


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