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冒険者協会

投稿後約1時間、タイトルを間違えて投稿していました。「純白の戦姫」→「冒険者協会」

改稿より前に読まれた方、分かりにくくなり、申し訳ございません

僕は今、牢屋にいる。

理由としては、各国で発行されているらしい共通身分証明書を持っていなかったからだ。

それだけで捕まるって...

「おい、牢屋を出ていいぞ」

「え?いいんですか?」

「あぁ、身分の証明が取れた」

「ハネスト隊長に感謝するんだな」

「あぁ、はい、ありがとうございます」

牢屋があった建物を出ると、そこには先程の女騎士さんが居た。

「すみませんでした、まさか共通身分証明書を持っていなかったとは」

「森で育ったもので、ご迷惑をかけてすみません」

「いいのです、このくらい」

「良ければ、身分証を取れるところまでご案内します」

「いいんですか?」

「えぇ、旅人殿は恩人ですから」

「ありがとうございます」

「身分証にも、冒険者証と、軍人証、商人証、普通証の四種類がありますが、旅人殿は普通証で大丈夫ですか?」

「いえ、冒険者証でお願いします」

冒険者!楽しそうすぎる!

「分かりました」

「あ、あと、僕のことはヘルンとお呼びいただければ」

「あ!私も名乗り忘れていましたね、私はハネストです」

「よろしくお願いします、ヘルンさん」

「ヘルンでいいですよ」

「あと敬語も結構です、年上のようですし」

「そうですか...分かりました」

「よろしく、ヘルン」

「私もハネストでいいよ」

「よろしくお願いします、ハネスト」

「じゃあ、行こうか」

「どこへ?」

「冒険者協会だよ」

おぉ、ぽいぽい!異世界っぽい!

「行きましょう!」

「そんなに楽しみなの?」

「はい!めちゃくちゃ楽しみです」

「そうなんだ、楽しめるといいね」

「はい!」


彼女に連れられ、人混みの中を歩いていると、彼女が突然聞いてきた。

「ところで、ヘルンは何歳?」

「15、6歳です」

「じゃあ、私が少しだけ年上だね」

「その歳であれだけの魔法が使えるなら、将来有望だね」

「そんな事ないです」

「その年齢で軍隊の隊長なんて、ハネストの方が凄いと思います」

「へへ、そうかなぁ」

「はい」

石壁に囲まれるイレーネの街は、レンガ造りの建物が多い、のどかな街だった。

彼女について行っていると、一際大きな建物が見えた。

その建物には、二つの剣が重なった紋章と、国旗らしきものが掲げられていた。

「ここだよ」

「大きい建物ですね」

「イレーネは、冒険職が盛んだからね」

「他の国と戦争にならないように、軍と冒険者に力を入れてるのよ」

「なるほどですね」

「さ、中に入ろ」

「はい」

中に入ると、色んな武装をした人が、広告板のようなものの前でガヤガヤしていた。

入った途端に、協会の中がざわつき始めた。

どうやら、彼女は有名人のようだ。

皆口々に、彼女の名前を呼んで、チラチラこちらを見ている。

「すみません、なんだか気まずいですよね」

「私、これでも隊長なので、結構有名で...」

「恥ずかしい...」

「早く手続き終わらせて、ここ出ましょ!」

彼女があまりにも恥ずかしそうにしてるので、少し笑ってしまった。

「そうですね」


受付に行くと、お洒落な制服を着た受付嬢さんが、対応してくれた。

「ハネスト隊長じゃないですか!?」

「なんの御用ですか?」

「この子の身分証が欲しくて」

「なるほど、冒険者証は身分証として使えますからね」

「そういうことです、出来ますか?」

「もちろんです」

「しかし、冒険者として登録することになるので、能力検査が必要です」

「ヘルン、大丈夫?」

いずれ僕が守護神であることはバレるし、適当に終わらせよう。

「大丈夫です」

「では、少々お待ちください、すぐにご用意致します」

「いや、こいつの能力検査は私がしよう」

奥から、いかつめの男の人が出てきて言った。

「ハネストが連れてきたんだからな、少々気になる」

「おぉ、アンドレイアさんじゃないですか!」

「アンドレイアさんにやって貰えるなら安心です」

「あぁ、任せろ」

「坊主、こっちだ」

「あ、はい、よろしくお願いします」


アンドレイアさんについて行くと、大きなところに出た。

「ここは?」

「訓練場だ」

「試験場も兼ねている」

「なるほど...」

「まず、体技の試験をする」

「そこにある模擬剣を取って、私にかかってこい」

「分かりました」

体技に関しては、自信があった。

死神は、死神の大鎌で物理攻撃をすることもあるから、師匠に体術を叩き込まれていた。

模擬剣を手に取り、大きさを確かめ、アンドレイアさんの方に歩き出した。

「その余裕さ、初心者ではないようだな」

「よろしくお願いします」

「よろしく頼む」

魔法じゃないし、本気で行こうかな。

視線を少しそらすと、訓練場の端にハネストが居て、手を振って応援してくれていた。

右肩に剣構え、息を吐き、呼吸を整える。

そして、思い切りに踏み込む。

その速度は、音速を超えた。

しかし、その神速の剣は、動きを止められた。

「おぉ、やるな、なんだその速度は」

「ありがとうございます」

剣を打ち合う。僕は、全ての攻撃で、相手の隙を狙った。だが、それは尽く止められた。

この人、ほんとに人間か?

「もういいぞ」

少し打ち合いが止んだ時、彼が落ち着いて言った。

「お前、相当腕が立つようだな」

「アンドレイアさんこそ、凄いですねその剣技、尊敬します」

「世辞はいい、次は魔法試験だ」

「少し休んだら始めるぞ」

「分かりました」

アンドレイアさんが訓練場から離れた後、すぐにハネストが駆け寄ってきた。

「ヘルン、さっきのは何!?」

「何って、剣で戦っただけですけど」

「いや、なんだあの剣技は言ってるの!」

「あなた、どんな生活してきたの?」

「師匠にしごかれる生活をしてきました」

「その師匠、どんな師匠なのよ...」

「ははは...」

「おい、そろそろ魔法試験をするぞ」

アンドレイアさんが戻ってきた。

「あそこの的に、適当な攻撃魔法を打ってみろ」

「命中精度と、火力を見る」

アンドレイアさんが、訓練場の端の方を指さして言った。

「分かりました」

さて、なんの魔法を使おうか。

僕は、神聖属性魔法以外の全ての属性魔法を使える。

一般的によく使われるのは、習得率の最も高い炎魔法だと師匠から聞いた。

平和に過ごしたいし、魔法は出来ないって感じにしたいな。

ファイアアローでいいか。

ファイアアロー、その名の通り、炎で形成された矢を放つ魔法。火力はヘルフレイムの万分の一。

それなら驚かれないだろう。

「いきます」

人差し指を立て、炎の矢を形成し、的に向かって放つ。矢は、もちろん的の中心に命中した。

「こんな感じです」

そう言い振り向くと、アンドレイアさんとハネストが、驚いた顔でこちらを見ていた。

「今のは、どうやって魔法を打ったんだ?」

「どうやってって、普通にしただけですよ」

「普通は、詠唱なしでは魔法は発動しないはずだが」

「え?確かに、難しい魔法は詠唱が必要ですが、これくらいなら要らないのでは?」

これくらいで詠唱していては、戦闘はままならない。戦闘の基本だと師匠から教わった。

「なわけないだろ、こんなの初めて見たぞ」

「そうだよヘルン!こんなの見た事ない」

「えぇぇ」

「と、とりあえず、お前の力は分かった」

「冒険者証を発行しよう」

「お前の対応に関しては、少し考えたいから、後日また来てくれ」

「わ、わかりました...」

ハネストはずっと戸惑ったように僕とアンドレイアさんの顔をキョロキョロと見ている。

はぁ...やってしまった...

これからどうなるんだろう...

僕はただこの世界を楽しみたいだけなのにぃぃぃ!



次話は、2025年8月22日12時に投稿します!

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