7.
翌日、あたしたちは再びお姫様達と対面した。凛があたし達の代表として話し始める。
「昨日、急にお願いしたのに時間を作って頂きありがとうございます。」
「いいえ、とんでもございません。勇者様方の願いですもの。それで…お心の方は決まりましたか?」
「はい。私たちは、ここに残ろうと思います。」
「!!!本当ですか!なんとお礼を言えばいいか…」
お姫様はあたし達が残ると聞いてほっとしたのか表情が柔らかくなった。かわいっ
「ですが、条件があります。私たちはこの世界に思い入れがあって残ろうと思っている訳ではありません。呼び出されて、勇者と言われて、まだ納得できない気持ちもあります。だから、私たちは私たちをいちばん優先して物事を考えさせてもらいます。私たちは死にたい訳ではありません。争い事が苦手なものもいます。だから、無理強いはしないでください。もちろん勇者として働こうとは思っています。」
そう言って凛が頭を下げた。あたしも一緒に下げる。これは昨日決めたことの一つだ。自分たちにとって何がいちばん大切なのか、たとえ図々しいと思われてもはっきりと伝えておかないといけない。
「頭をおあげ下さい!もちろん、わたくしどもは勇者様方の意向に最大限寄り添わせて頂きます。」
「ありがとうございます。」
これであたし達はこの世界で生きていくことが決まった。この後はどうするのかな?
「あの、それであたし達は何をすれば??」
「はい、勇者様方にはわたくしの父、この国の現国王にお会いして頂きたいのです。」
「……は?国王!?いきなり国王!?」
「いきなりで申し訳ございません。ですが、わたくしどもはまだ皆さんのことを何も知らないので…よろしければ自己紹介をしていただければと…」
そっか。そうだよね、あたし達がこの世界を知らないように向こうだってあたし達が何者なのか分からないんだもんね。
「分かりました。じゃあ国王様に会いに行きましょう。」
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あたし達は無駄にながーい机に左右別れて座っていた。おそらく誕生日席の位置に王様が来るのだろう。その他に空いている席は五つだ。6人家族なのかな?あたしがそんなこと考えているとドアが開き人が入ってきた。あの方が王様…ちょーイケメンじゃん。それにお姫様と、王子様、7歳ぐらいの可愛らしい子達とめっちゃ美人の女性。王族って顔が整ってるもんなのかな?
「勇者様方、まずはこの国、この世界に残るという選択をしてくれて感謝する。不自由のない生活を送れるよう、最大限サポートしよう。」
おぉ〜王様はいかにも王様って感じの人だな。でも、優しそうな雰囲気がでてる。あと、すっごいいい声。
「私から自己紹介をする。バイオル・ラペントだ。この国、ラペント王国の王である。そしてこっちが妻で王妃であるクレシア・ラペントだ。」
「はじめまして、勇者様方。お会いできて光栄ですわ。」
「そして、こっちが私の子供たちだ。」
「はじめまして。ラペント王国第1王子のアイダン・ラペントです。どうぞよろしく。」
「ラペント王国第1王女、ハーモニー・ラペントですわ。勇者様方、改めてよろしくお願い致します。」
やばい。王子様…アイダン様がイケメンすぎる。ていうかちょータイプ。母親譲りであろう紫の切れ長な瞳!父親譲りの黒髪!それに、ムキムキでもなくヘロヘロでもないちょうどいい筋肉のつき具合!外見どストライク!!!ハーモニーさんの方は瞳の色は父親譲りの青色、髪は母親譲りの銀髪だ。お人形さんみたいでかっわいい〜!!今度コーディネートとかさせて貰えないかなぁ〜
「そして、この子達はわたくしの双子の弟と妹になります。」
「第2王子のフォルト・ラペントだ!よろしくな!」
「もう!フォルトったらきちんとご挨拶しなきゃ!第2王女のピアン・ラペントですわ。よろしくお願い致しますわ。」
「うわぁぁぁ!双子ちゃんなんだ!どっちが上なの?」
「おれっ…僕が上です。」
あたしが聞くとフォルトくんがピアンちゃんに睨まれながら答えてくれる。2人ともまじかわ。外見はフォルトくんは青の瞳に銀髪、ピアンちゃんは紫の瞳に黒髪だ!
「さて、それでは勇者様方のお名前も教えて欲しい。」
おっ次は私たちの番か、まぁ順番は前から適当でいいよね!
「それじゃあ凛からいってみよう!」
読んでくださりありがとうございました。