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18.後妻だったそうです。

 じーっと睨むように見てくるアイザック。

 目があっちゃってるのにこっちから逸らしたら何だか負けた気がするから目を逸らせない私。

 ……うん。大人げないんだよ、都合のいい時だけだろうが紛れもなく子供だもん。

 先に目を逸らしたのはアイザックの方だった。

 勝った。


「……お前、ぼくのこんやくしゃなんだってな!」


 と、思ったら、また睨みながら怒鳴ってくる。

 もー。怒りんぼさんだなぁ。カルシウム足りてないんじゃないの?

 魚食え、魚。


「そのように聞いています」

「いいか! ぼくは大きくなったら、母上とけっこんするんだ! お前とこんやくなんかしてやらないからな!」


 ぷはっ!

 あるあるだぁ!

 ママっこなんだね!

 可愛いけど、許せ。現実は厳しいのだよ、王子様。


「笑うな! ぶれいだぞ!」

「ですが殿下。残念ながら、王妃様は国王様のお嫁様なので、王子殿下のお嫁様にはなれません」

「!!」

「それと、私と殿下はすでに婚約しています。しないと言ってもすでに婚約者です」

「!!!!」

「それと、結婚したくないのは殿下だけではありません。私も嫌です」

「なんでお前はぼくのお嫁さんになるのが嫌なんだ!? ぼくは王子なんだぞ! 喜ぶとこだろ!」

「初対面でぶーたれてずーっと無視して睨んで怒鳴ってきて、お前呼ばわりして婚約してやらないなんて言う方、誰が好きになると思うんですか」

「な……なんでそんなに意地悪を言うんだ! 父上に言いつけてやるぞ!」


 テンプレかよ。ぱぱにいいつけてやるぞーって……。


 ――ん? 父上?


 今さらっと流しちゃったけど、王妃殿下って国王陛下の奥さんってことだよね?

 若くない? 三十歳くらいだと思うんだけど。


 国王陛下って、多分五十歳くらいだったよね?

 何となく勝手に殿下は陛下のお孫さんって脳内変換してたけど、そうなると、父上って、誰??


「……あの。父上、って、どなたでしょう?」

「……お前ばかだろ。父上は父上。国王陛下に決まってるだろ」


 えっ!?


 やばい。この国の王族の勉強、してなかった。

 王家の知識が全くない。


 黙り込んだ私に、何故か嬉しそうな王子殿下。


「お前は国の事、なーんにも知らないんだな! 偉そうにしてたけどばかじゃないか。ばーかばーか!」


 こ……このクソガキャぁっ!

 私が真っ赤になってぷるぷるしていると、王子殿下はふふんっとふんぞり返って勿体ぶりながら教えてくれる。


「いいか? 一番上の姉上と二番目の姉上は、母上の前の王妃の子で、三番目のレティ姉さまとぼくは母上の子だけど、父上はいっしょだ」


 あぁ――、若いと思ったら後妻なのか。王妃殿下。

 女の子ばっかじゃ、世継ぎは必要だもんね。


「因みに、前の王妃様ってどうなったんですか?」

「なくなられたと母上がおっしゃっていた」

「王女殿下方って、おいくつなんですか?」

「レティ姉さまはぼくの三つ上だけど、ヴァネッサ姉上はぼくが生まれる前にべつの国にお嫁にいって、クラウディア姉上はぼくが三つの時に十六歳でグランドルこうしゃく家にお嫁に行かれてる」


 なるほど。それなら五十歳くらいでも可笑しくないのか。

 まぁ、前世でも七十でパパ!なんてニュース、聞いたことあるもんね。

 納得。


 それにしても、グランドル公爵家? 聞いたことあるぞ。メイナード夫人の実家じゃん!

 なら、メイナード夫人が言ってた王女殿下の家庭教師って、クラウディア殿下の家庭教師をしてたってことなのかな。

 あのメイナード夫人から勉強教わって、更に義姉妹になるのか……。うわー。


 ……おっと。脱線してしまった。


「それで、お話を戻しますが、殿下は私との婚約、嫌なんですよね?」

「ん? ――んー……」


 考え込むなよ。良いや。進めちゃおう。


「実は、私、殿下の運命の相手を知っているかもしれないんです」

「ん? うんめいの相手?」

「そう。今は平民で、下位貴族の娘です。十四歳になると、貴族学園に行きますよね?」

「うん」

「そこで、殿下はその娘と運命の出会いをするんです」

「……。それって十四歳まで待たないとだめなの?」


 やっぱそう思いますよね! うんうんうん。


「私もそう思いました。なので、今お父様にお願いをして、その子を探して貰っています」

「……うんめいの相手って子見つけてどうするの?」

「もし、その子と殿下が運命なら、お互い大好きになって、結婚したいって思うでしょう。でも、その子は元平民の下位貴族。殿下は、次の王様ですよね? 結婚できなくなっちゃいます」

「そ……それは嫌だな……」

「そうでしょう? そこで私、考えました! その子をブランシェル公爵家で引き取って、王妃教育も一緒に受けちゃうんです。そうしたら、その子は公爵家の娘ってなって、殿下のお嫁さんになることができます!」

「おお――! ……じゃあ、その子がうんめいの相手じゃなかったら?」

「その時は諦めて私を妃にしてください」

「そっか。なら、分かった」


 あら。あっさり。ちょっと拍子抜けした。

 なんだ。普通にしてたら可愛いじゃん、婚約者様。仮だけどね。

ご閲覧、いいね、ブクマ、評価、誤字報告、いつもありがとうございますっ!!

今朝も昨日に引き続き、推移チェックします!

ブクマ599件→692件

評価103人→118人

総合評価2,112 pt→2,414pt

いいね144件→164件

PV数累計75,949→89,162

日刊総合ランキング40位→40位

日間恋愛異世界転生/転移ランキング 7位→6位!一個上がったー!わぁぃっ!

今日は土曜日!

なので、後3本くらい、Upしたいなー。やっとこお話進み始めたので。

頑張りますっ!

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