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17.流石に無理だと思います。

 イケメン騎士さんの案内で、お庭に面したお部屋に案内された。

 サンルームみたい。大きな暖炉と、大きな窓際にローテーブルとソファ。

 調度品は、品があって、小さめのお部屋だけど、さすがは王宮って感じ。

 見てるだけで、お城の見学しているみたいですごく楽しい。

 ソファを勧められ、イケメン騎士さんが抱えてくれて、ソファに座る。

 お茶とお菓子がテーブルに置かれた。


「ありがとうございます」


 にこっと笑みを向けると、やっぱり驚くんだね。

 給仕の女性が、目を丸くした後、にっこり微笑んでくれた。


 イケメン騎士さんは、私の後ろで後ろ手を組んで控えてくれる。

 ……これ、私がソファ降りるたびに抱えて乗せてくれるからなんだろうか。

 お手数かけてすみません。


 アイザック王子がやってきたのは、それから一時間ほど経った頃だった。

 今後の事とか色々妄想していたら、あっという間。


 ノックの音に立ち上がる。


「王妃殿下、並びに第一王子アイザック殿下のお越しです」


 王妃様!

 流石に初対面で王子様と二人ってわけないか。

 護衛の騎士さんの報告に、気を引き締めて、カーテシーで出迎える。

 ……カーテシー、もっといっぱい練習しよう。足ツライ。


 カツカツカツッと小走りする小さな足音の後、向かい側のソファにどすんっと座る気配がする。


「これっ。アイザック! ……ご機嫌よう、アウラリーサ・ブランシェル嬢」


 王妃様のお声が掛ったから、ここでやっと挨拶できる。

 その姿勢から更に一つ腰を落とす。

 ……っくっ。きっついわぁ。

 その姿勢のままで挨拶。やばい、声が震えちゃう。


「メルディアを潤す麗しき月、王妃殿下並びに第一王子アイザック殿下にご挨拶申し上げます。ブランシェル公爵が娘、アウラリーサ・ブランシェルと申します」


「まぁ、丁寧な挨拶を有難う。顔をおあげなさい?」


 っふ――。

 顔を上げると、見事な金色の髪と、深いロイヤルブルーの瞳の美女、王妃殿下が視界に飛び込んでくる。

 お母様より、少し上くらい。凄く綺麗な方。

 で、ソファに腰かけ、小首を傾けてじっとこっちを見つめる、めちゃくちゃ綺麗な男の子。


 王妃殿下そっくりの蜂蜜みたいな金色の髪。ロイヤルブルーのアーモンド形のくっきり二重。長いまつ毛。陶器みたいな白い肌に、ピンク色のほっぺた。

 うわぁ。これがアイザックか! めちゃくちゃ可愛い!!


「アイザック。ご挨拶なさい」

「……。アイザック・フェロー・ド・メルディア」


 ぶっきらぼうに名前だけ言って、ぷいっと横を向くアイザック。


「もう……。仕方のない子ね。ごめんなさいね、アウラリーサ。我儘な子で。さ、お掛けなさい?」

「いいえ、とんでもございません。失礼いたします」


 ゆったりとお茶を飲みながら、王妃様と会話をする。

 趣味は何か。好きな花は何か。好きな食べ物は何か。何の勉強が好きか。お見合いみたいだね。

 肝心のアイザックはひじ掛け側に横向きになり、唇を尖らせて、ひじ掛けに凭れるようにして座っている。

 断固話すもんかの構え。


 いるいる。こういうお子様。我儘っこだなぁ、とは思うけど、寧ろ微笑ましい。

 微笑ましいけど、せめて靴脱ごうよ。土足文化だからなのか、こういうの気にしないのかなぁ。

 王妃様も何も言わないし。お掃除の人、大変そう。


 しかしな――。この子が婚約者か。




 …………。



 ――うん! 無いわ!


 この子がどうのって言うより、どこをどう見ても立派なお子様だよね!

 兄はまだ、『男の子』って感じがして、小さいのに頼りがいがあって、中身十八の私でも、時々きゅんってくるけど、アイザックは、もう、モロお子様!


 流石にこんなちっちゃな子が将来の夫とか、犯罪臭しかしない。

 どうしても脳内では女子大生と幼稚園児がタキシードとウェディングドレスで並んでるのを想像しちゃう。

 許容範囲外過ぎる。ムリムリムリ。

 今は私もお子様だけど、中身十八だしね。

 


 幸い王子殿下も私がお気に召さないご様子。

 是非、早々に婚約を解消して頂かねば。


 にこにこと笑みを張り付けつつ、頭の中でそんなことを考えてたら、ノックの音がして、使用人の男性が一人入ってくる。

 王妃殿下に耳打ちすると、王妃殿下は男性に頷いて返し、にこりと私に向き直った。


「アリー、わたくしは次の予定が入っているから、お先に失礼させて頂きますね。ヴェルハルトが迎えに来るまで、アイザックとお話をしていて頂戴? アイザック? きちんとアリーのお相手をするのよ? わかりましたね? ……。 アイザック。お返事は?」

「…………。はぁ~い」

「宜しい。今日はあなたとお話が出来て、とても楽しかったわ。あなたがわたくしの娘になる日が楽しみです。王宮に上がったら、また一緒にお茶を飲みましょうね」


 サラリとドレスを揺らし、王妃様が立ち上がる。


 私もソファから降りて、ドレスのすそをつまみ、カーテシーでお見送り。


「光栄に存じます。わたくしも楽しみにしております。ご機嫌よう、王妃殿下」

「ご機嫌よう」


 綺麗な微笑を浮かべて、王妃殿下が部屋を出ていく。


 残ったのは、私とアイザック王子。


「……」

「……」


 うーん。とりあえず、アイザック王子と話さない事には始まらないんだけど……。



 ……どうしよう。

ご閲覧、いいね、ブクマ、評価、誤字報告、いつもありがとうございます――――!!

大変お待たせいたしました。やっと! やっと、出てきました、アイザック。いやー、ここまで長かった……。

どうしようかと思った……。何故私の書くキャラはプロット無視して動きたがるのか……。


さて、気を取り直して。ここの所ドはまりしている推移チェックのコーナー! 前回の投稿時と比較してます。

ブクマ457件→599件

評価64人→103人

総合評価1484pt→2112pt

いいね105件→144件

PV数累計56,697→75,949

日刊総合ランキング52位→40位!!

で、先ほど気が付いたんですが、

日間恋愛異世界転生/転移ランキング 7位!? 週間で26位っ。きゃわーっ!


ほんっと、皆さまのお陰です!有難うございます!感謝感謝、大感謝!です!

しかも、今回はなんと! ご感想頂きました――!! きゃー、嬉しい嬉しい!

このお話では初です! これからも楽しんで頂けるように、明日は少し多めに投稿いたします!

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