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招かれざる客

 アナーク王国の国王が代々住む「ハヌリーロ宮殿」の客間に桃馬がいた。


「この者は我々の恩人です。大切にもてなしなさい」


 ユフラは召使いのリーダー格であるヒレンエ

挿絵(By みてみん)に桃馬の身の回りの世話を命じた。ヒレンエはユフラの祖父の代から宮殿につかえている女性である。

 

「王女様、このような得体の知れぬ者を宮殿に入れるとは、なんと無用心な事か」

「お黙りなさい! そなたは私に逆らうのか?」


 桃馬はヒレンエが言うことも理解出来た。


「確かに私は王女様に使えてはおります。ですが、亡くなられた国王陛下から『ユフラを正しき道へ』と託されてもおります」

「それは幼い頃の話です! とにかく、今宵はトウマに子牛を屠りなさい」


 ヒレンエは「ハハッ!」と頭を下げた。


「ユフラ王女、僕一人で子牛一頭を平らげるのは無理です」

「そなた一人だけではない。一緒に戦った者たちも含めてです」


 桃馬はアナーク王国を知る絶好の機会だと感じた。


「早速、今夜にでも宴を開くとしよう。それまで薪割りを頼む」

「ま、薪割り?」

「肉を焼くのに必要ではないか。私はヒレンエらと共にソースを作ります」

「王女様も宴の準備をなさるのですか?」

「当然です。王族とて労働は果たさなければならぬ」


 桃馬は自分の世界での常識を取っ払う事にした。


「ヒレンエはソース用の果実などを準備なさい。トウマは私と薪割り場へ行きましょう」

「王女様、薪割り場へなら私めが」

「トウマの事は私が説明しなければ、お前のように不信感を抱くだけじゃ」


 ヒレンエはため息をついて客間を出ていった。


「トウマ、すまぬ。ヒレンエは宮殿の中しか知らぬゆえ、よそ者には心を閉じてしまうのだ」

「当然だと思います。僕は違う世界から来た妙な格好した・・・」

「確かに奇妙な格好しているが、我々を助けてくれた。少なくとも、パウマ隊長らと戦った者たちは分かっている」

「王女様御自身も(いくさ)に参加されるのですか?」

「士気を高めるためじゃ。まあ、宴の時にゆっくり話そう」


 ユフラは桃馬を薪割り場へ案内し、宮殿の湯や灯りなどを管理しているゼルバ

挿絵(By みてみん)と言う初老の男性に事情を説明してソース作りに向かった。


「お前がマントの戦士か。薪割りなどしたことないだろ?」


 桃馬はアンドマンの力を薪割りで見せつけてやろうとメガネに手をかけたが、無駄なエネルギー消費はやめておくことにした。


「僕の世界では、ガスとか電気でお湯が沸きますので」

「ガス? デンキ?」

「インターネットって知ってます?」

「イ! イン? 何の呪文だ?」

「遅れてますね? 斧、借ります」


 桃馬はアナーク王国の民が、自分達とは異なる思想や文化を受け入れる寛容さが無いことを確信し、ゼルバが持っていた斧を取り上げた。


「思ったより軽い?」


 桃馬は薪一本を切り株に立てて、斧を振り下ろしてみた。カッターナイフで紙を切るが如く薪を真っ二つにした。


「一回でその斧を使いこなすとは、大した奴だ」


 ゼルバは小屋から真新しい斧を持ってきて、桃馬に渡した。


「これを使え。その斧はワシが研いでくる」


 斧を取り替えたゼルバを見て、アナーク王国には「心地良さ」と言う感覚は無いのだろうと思い、自分も必要以上に彼等と仲良くしたり気を使うのをやめる桃馬である。







前回から間が空いてしまい、大変申し訳ありません。


ユフラによって宮殿に招かれた桃馬ですが、アナーク王国の人々には歓迎されていないようです。

ギデハ大公一味との戦いに加え、ユフラ以外の人々との関係をどうしていくのか? 桃馬はあえて良好な関係を持つつもりはないみたいですが。


今回より、アンドマンのスペックをちょこっとずつ紹介していきます。


アンドマン・スペックその1


身長:170㌢くらい


体重:60㌔弱


飛行速度:マッハ3


速力:100㍍を1.5秒


ジャンプ力:60㍍


パンチ力:15㌧


キック力:最大50㌧


深海や宇宙でも活動可


よろしければ、感想や評価、ブックマークへの登録もよろしくお願いします。


では、次回もお楽しみに!




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