残る敵はギデハ大公と?
ガゾラ城の中央部から大砲二台がせり出ていた。
「ギデハ大公、ガエーヌ夫人を巻き込んでよろしかったのですか?」
砲手の一人がギデハ大公に詰め寄って来た。
「些細な犠牲だ。砲撃を続けよ」
ギデハ大公の冷酷さに恐怖を感じた砲手だったが、命令に従うしかなかった。
「ギデハ大公、すでにアンドマンの姿が見えませんが」
もう一人の砲手がアンドマンがいた場所を指し示した。
「ふむ、さすがのアンドマンも砲弾で吹っ飛んだか? ガエーヌの処分も済んで手間が省けた」
ギデハ大公は「呆気無いものだな」と、城内の神殿に向かおうとした時である。
「あっ! 何だ、あの化け物鳥は?」
「鉄の魔獣か?」
機甲怪鳥メタニックスがギデハ大公らの前に迫っていた。
「すぐさま撃ち落とせ!」
ギデハ大公の命令に従い、大砲に砲弾を込める砲手達だが、メタニックスが翼で突風を起こし、彼等は立つのがやっとであった。
「ギデハ大公、アナーク王国征服の野望を捨てろ!」
ギデハ大公は声の主であるアンドマンとヤスケがメタニックスの背にいるのを発見した。
「生きてきたのか? アンドマン!」
「その大砲ではメタニックスは撃ち落とせまい!」
「ほざくな、早く撃ち落とせ!」
砲手達はようやく砲弾の装填を完了し、メタニックスへの砲撃を開始した。
「ソニックバリヤ!」
アンドマンの指示でメタニックスは口から超音波を出し、弾丸を悉く弾き返してガゾラ城を攻撃した。
「あの大砲を破壊しろ! メタニレーザーだ!」
メタニックスは両眼からレーザービームを各大砲に向けて発射した。
「わぁ! 逃げろ!」
砲手らは一目散に大砲から離れた。
「ヤスケ、逃げる兵士達を守れ!」
ヤスケはメタニックスの背から飛び立ち、砲手達の元へ向かった。
「メタニックス、戻れ!」
アンドマンはメタニックスの背から空中に移ると、メタニックスはバックルの形状になりアンドマンのベルト中央に戻った。
大砲はメタニレーザーによって大破、ギデハ大公はその場から姿を消した。
「逃さん!」
アンドセンサーでギデハ大公を探し出したアンドマンは、アンドブーツ底からガトリング砲を発射し、城壁を破壊してガゾラ城に突入した。
「感じる! ギデハ大公以外の何者かが発する妖気を」
ギデハ大公は城内の神殿に移動し、錫杖を天井に向けた。
「来よったか」
ギデハ大公が差した天井が崩れ落ち、アンドマンが降り立った。
「ギデハ大公、悪あがきはやめろ!」
「アンドマン、ここまで来たことは褒めてやる」
「ならば、ご褒美としてアナーク王国征服の野望を取り下げてもらおうか」
「それは出来ぬ。代わりに会わせたい者がいる」
ギデハ大公は錫杖で神殿内の2メートル程の魔神像を差した。
「あれが魔神ブーガか?」
「フハハハ、あの中で誕生する者が貴様を抹殺する」
「な、何だ? この邪悪でありなから親近感も否めないこの感覚は」
よく見ると、魔神像の左側に錠前のような物があるのに気づくアンドマンである。
「あれは棺桶?」
「惜しいな。人体融合の社だ」
「じ、人体融合!?」
「かつて帝王ガルが剣の達人と妖術使いの死体を入れて、お前と同じ異世界の戦士を始末する凶戦士を作り出した」
アンドマン、否桃馬は「どんな生物工学ですか?」と首をかしげた。
「ブーガル帝国の文明は空飛ぶ円盤や巨大からくり人形を作り出し、人間と他の生物を掛け合せたり」
アンドマンはギデハ大公とテレパシーが通じたのかと不安になった。
「そして今、新たな凶戦士が誕生する」
「きょ、狂ってんの?」
「凶悪の『凶』だ!」
またも桃馬は「ギデハ大公も漢字とか熟語をご存知で?」と疑問を持ったが、異世界だからかと頭を切り替えた。
「いでよ!」
魔神像がガタガタと揺れ出し、隙間から光が漏れ出したかと思うと一瞬で砕け散った。
「我が名はアンドキラー。魔神ブーガが新たな肉体を得たまさしく凶戦士!」
その姿はアンドマンに酷似しているものの、
黒いターバンからは目元だけが露出しており肌と白目部分は青白く瞳は紫色で目つきは鋭い、
額には縦長の赤い宝石、その両側からは紫色の触角で先が割れており右側が長い、
オレンジ色のマフラーに黒地の全身スーツ、その胸には額の宝石と触角を模したマーク、
金色のグローブとブーツ、
銀色のベルトには悪魔を模した赤地に黄色の目のバックル、
それがアンドキラー
皆様、いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
ここに来て、アンドマンのライバルキャラクター「アンドキラー」の登場です。
魔神ブーガが宿ったその肉体は一体誰のものなのか?
アンドマンは何故にアンドキラーに親近感を覚えるのか?
それは又、次回以降のお話しということで。
ては、今回もやります。
アンドマン・スペックその15
アンドバックル・・・特殊金属製で、様々な武器や車両等に変形したりする万能アイテム。
ベルトはバックルのエネルギー庫の役目を果たしている。
次回もどうぞお楽しみに!




