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むき出しの本音

 ガゾラ城の供養塔にセラドル神官の姿があった。


「ご無事でしたか」


 左手に包帯を巻いたガエーヌ夫人が甲高い笑い声と共に姿を現した。


「アンドマンを仕留めたのではなかったのか?」

「私の邪念空間にて新たな術を編み出し、ギュンノ将軍さえ破る相手。あのアンドマンに勝てるすべは我らにありません」


 ガエーヌ夫人はその場に座り込んだ。


「ギュンノが破れた?」

「一緒にハヌリーロ宮殿へ行ったはずでは?」

「ユフラが王位継承者となった。私が黄金の鎧を纏っても重いだけだったが、ユフラには鎧自らが」

「夫人、宮殿の召使いに化け眠り薬入の茶を飲ませてユフラを人質に取るなど、アンドマンには通用せぬと申しましたのに」

「黙れ! お前といいギュンノといい、アンドマンなどに手こずりおって」

「お言葉ですが、あなたに雇われたのはギデハ大公に替わってアナーク王国を治めると言う目的達成の手助け。先代国王夫妻を毒殺させ、ユフラ王女をうまく丸め込ませる手はずだったと。それがアンドマンと言う異分子によって全てを狂わされた」


 セラドル神官は自室に戻ろうするが、ガエーヌ夫人がそれを拒んだ。


「セラドルよ、私を見捨てないでおくれ」

「はて? 今のあなたから何が得られるというのです?」

 

 セラドル神官はカード十数枚をばらまき、その場から姿を消した。


「ガエーヌ夫人」


 供養塔に二人の衛兵が歩み寄って来た。


「供養中に無礼であろう!」

「ギデハ大公がすぐに呼べとの事で」


 ガエーヌ夫人は衛兵らの口振りで自分の地位が下がったと感じた。


「大公は何処に?」

「自室におられます」


 ガエーヌ夫人は甲高い笑い声を残して、ギデハ大公の部屋へと向かった。


「おい、ギデハ一味も先が無いぞ」

「いくら腹一杯飯を食わしてくれてるからって、命には代えられん」

「仲間の多くが魔獣のエサになって、とてもギデハ大公がアナーク王国の王になれるとは思えん」

「あのギュンノ将軍でさえ、うっ!」


 衛兵の一人が糸の切れた操り人形の如く倒れた。


「飯代はお前達の命だ」


 もう一人の衛兵も又、痛みを感じる間もなく絶命した。


「どいつもこいつも信用ならん」


 紫色の煙と共に姿を現したのは、瞳を紫色にしたセラドル神官である。


「そろそろ、この依り代も捨て時だ」


 ガゾラ城内でセラドル神官の遺体が発見されたのは、それから一時間後くらいであった。

 

 




皆様、いつもご愛読いただきありがとうございます。


ギデハ一味の内部崩壊が進む中、魔神ブーガがいよいよ本格的に活動を始めたみたいです。


ギュンノ将軍とセラドル神官が死に、ガエーヌ夫人はどうギデハ大公と向き合っていくのか?


アンドマンはギデハ一味や魔神ブーガを倒し、アナーク王国に平和をもたらす事ができるのでしょうか?


さあ、今回もやります。


アンドマン・スペックその11


アンドスーツ・・・山吹色で少し厚めの生地の全身タイツ。高温や極寒、劇薬や衝撃などからアンドスキンを保護する。


暑い日が続きますので、何卒御身体を大切にして下さい。


では、次回もお楽しみに!

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