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朝ご飯

ある土曜日の晩遅く、

彼がスペイン料理の店に

連れてってくれた。


と、いっても、

うちの近所なんだけど。




すでにどこかで一次会を

済ませた彼は

きっとお腹いっぱいだろうに、

わざわざ冬弓を、

近所の店に連れ出した。


 

高級な白ワインとチーズ、

オリーブやパエリア。




その後、すぐ上にある

スーパーで買い物した。

 

明日の朝ご飯。


 

冬弓は、料理は全くダメだ。


ただ、彼がきたとき、

美味しい白ご飯くらいは

炊いてあげようと思っていた。


 

彼は「俺が料理してやる」と言い、

シャケや卵やらを買い込んだ。


 

そして、スペイン料理の続きの

ワインと生ハム。




冬弓は、すっかり自宅で酔っぱらって、

ご飯のタイマーもかけずに寝た。


 

ただ、翌朝の

「ワンピースは観る」と予言して。




翌朝、目をさますと、

ワンピースの15分前だった。


あわてて起きてテレビをつけて

お米を研ぐ。




ワンピースが終わる頃に、

3合のご飯が炊けた。



彼は料理を始める。

 

横にそわそわ、冬弓。




彼に作ってもらった朝ご飯、

但し、ご飯は冬弓が炊いた。




ランチを外で食べて、

彼は帰った。


 

夕方から寝てしまったその日ほど、

幸せな日はなかったと

後々彼に語ると、


苦笑して「アホか」と

言われた。


  

そう、そのアホな苦笑が、

冬弓にとっては、

何よりの幸せ。


 

今、失われた時代の幸せを

取り戻しているのだ、と

自分でも思う。

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