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移住(仮想現実)

ある日、冬弓が小さい脳みそで

考えついたこと。


移住。




とある田舎の町で、

冬弓がやりたいと思うことを

している会社を見つけた。


 

視察に行く前に、

カウンセラーさんから言われた。



確かにそこに

雇用の口があればいいけど、

そうでなければ、

もっと地に足をつけて


考えたほうがいいと。


 

冬弓は生き急いている、

とも言われた。


確かに、一刻も早く、

身内や血縁から

遠ざかりたい一心だ。


 

冬弓は義理でなく

人情を求めている。



例えば今にも

死にそうな冬弓だけど、

身内だから当然だ、と遠い肉親に

義務的に葬式をされるよりも、

何の義理もない他人が見届けてくれる方が

冬弓にはがありがたい。


 

だから田舎に移住というのも、

とんだ見当違いだと、

カウンセラーさんは言いたいのだろう。

 

でも、この地で冬弓が死んだ場合、

当然家族が「義理」として

それなりの対応をするだろう。


 

そんな義理はいらない。


「~しなくちゃいけない」

「~するのが当然だ」と

いう言葉や想いは、

幼い頃から冬弓にとって、

自己満足にしか思えなかった。


 

よく行くバーのお兄ちゃんは、

単なる常連さんだった人が

東京で孤独死して、

それを大阪から皆で迎えにいき、

大阪で葬儀を済ませたという。


 

父が亡くなるずっと前、

この話を家族にしたら、


「なんで、私たち身内がいるのに


他人に頼もうとするの?」

と笑われたことがある。


 

今なら言える。


それは義理ではなく

人情だったから。



身内が一番恐ろしいって、

知ってた?



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