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現実の部屋 夢の部屋

私、水原みずはら冬ふ弓ゆみには、

全部で30個ほどの部屋がある。



実際に住んだのが半分、

もう半分は、夢の中だけで

住んでる部屋。


 

この世で行ったことのない場所に

何度も繰り返して行くものだから、

夢の中では、そこが

「夢の部屋」なのか、

「現実の部屋」なのか

わからなくなる。


 

目覚める瞬間、

いつも天井がぐるぐる回る。


私は西を向いて寝てる?

東を向いて寝てる?


 

どこの国の、

どの地方にいる?



下から聞こえてくるのは、

家族の声?

よその部屋の人の声?



隣の部屋から聞こえてくるジャスは、

今の隣のおじさんから?

それとも若いころに

オーストラリアでホームステイしたときの、

ホストファーザーのレコード?


 

まず、自分がどの時代の

どの部屋で目覚めたのかを

認識するのに時間がかかる。


 

特に午後3時から4時頃の

昼寝は要注意だ。


もしかしたら、

とんでもない世界で目をさまして、

現実の世界に戻ってこれないかも、と


思ったことが、かつて、

旅行先のアジアの田舎町であった。


 

私は現実には、

10回以上引っ越している。



生まれてから10歳まで

住んだ実家。



10歳から学生が終わるまで

住んだ、新築の実家。



そして外国に渡り、

年に4回引っ越しした。


 

日本に戻って、

ある会社の寮に入り、

仕事が変わると同時に、

ワンルームへ引っ越し、


そして東京で一年間、

単身赴任した。

 

大阪に戻り、昔のダンナと

5年暮らした部屋、


そして今、一人暮らしの部屋。



その間にも、

海外のホームステイなどして、

数か所の部屋で時を

過ごしてきた。


 

上記は、実体験の部屋。




 

そして夢の部屋。



たぶん一度しか行っていない部屋は

もう忘れてしまっているのだろう。



不思議と、架空の夢の部屋は、

何度もそこにもどり、

なんとなく辻褄も合うのである。



「あ、ここは、東京でいっとき、

仮住まいしていたハズかも」



「あ、ここは、大阪に戻って来た時、

物件が見つからず、

半年ほど過ごした部屋かも」



「ここは、会社の別の寮で、

ちょっとだけ住んでいたような」



「実家の近くに引っ越したけど、

すぐにイヤになって出た部屋だよな」


 

・・・それぞれの部屋に

言いわけというか、

存在理由があり、

その部屋へ行くと、

懐かしいような苦いような思いが

こみ上げてくるのだ。



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