第四話「ヒーロー」
今宵美影視点
授業中、講堂であったLIVEのことを思い出した。
俺と響、杏里に翼、それに雲雀。あれからなんの動きもない。
再び一緒にLIVEができると期待してたのにな。
雲雀はまた1年間、1年生を過ごすがまたヘマをしないようにと響が世話を焼いている。確かにまた留年したら3年目の1年生です、って堂々と言える気がしねぇしなぁ。
あいつ身長だけはどんどんでかくなってくし…腹立つ。
そんなことばかり考えている。あのLIVEのことを思い出してはすぐにメンバーのことも思い出してしまう。俺は杏里と同じクラスだけどあんまし俺と仲良くしたくねぇみたいだし、休み時間は教室にいない。どこに行ってんだか…まぁ考える余地もないけど
こんな所で立ち止まっているのも時間の無駄だってよく雲雀は言ってたしなぁ
そこで俺はあることを考えた
俺自身でユニットを立ち上げること
俺がメインってこと無かったし…この学院にまずいるか…?俺について来てくれるやつ募集中、とか
いやいやいや…まずは響に相談してみるのもありだな。
そう思い俺は鶴北響がいる生徒会室へ足を運ぶ。
そっと生徒会室のドアを開けると学院の資料を沢山並べる響が視界に入る。
響は俺に気づいたようで
「やぁ美影''くん"久しぶりだね。どうしたんだい?」
微笑みながら小さく手を振る彼の方に歩き出す
「くん呼びはやめろよ。久しぶりだな響。雲雀の世話係らしいけど雲雀来てるか?」
最近校庭に言っても雲雀の姿を見かけないため少し心配をしていた。響が雲雀の世話をしているのなら何か知っているかと思い。
「ちょくちょく来ているよ。僕も1年生になればもっと来てくれるのかな?」
すごい真剣な表情でそう考える響を見ればやりかねない。俺は必死になって
「お前が1年生に戻らなくても雲雀は来るから!…な!?」
「そんなに必死にならなくても僕は1年生に戻りはしないよ。でもやっぱり雲雀が同じじゃないと落ち着かないかな」
浮かない表情でそう言う彼に何も言うことが出来なかった。
「あ、いやごめんね!自分のことを話してしまって…」
「全然気にしてねぇけどそんな浮かないと雲雀も少しずつ来てるのにまた考えちまうだろ」
「そうだよね…僕も前を見ないと。…話に付き合わせてしまってごめんね。何の用かな?」
人に気を使う所は相変わらず変わってねぇな、なんて少し苦笑いを浮かべる。
「いや、大したことでもねぇけどさユニット立ち上げることって難しいのか?」
話を聞く彼が少し驚いたような表情を見せた
「美影がユニットを立ちあげるのかい?ってことは僕とはライバル関係となってしまうね…」
は?…いやどういうことだ?ライバル?…あまりにも予想外な答えが出てきた。
「あ…!えっと…僕さ、ユニットを立ち上げようと思っていてね。新しく道を開かなければ何も起こらないから僕から気になる子に声をかけようと思ってて…」
初めて聞いた。相変わらず変わっていないな、なんて言ったが響は響で自分の道を考えているんだ。
「ユニットを立ち上げることは自由ってことか。まぁ俺も考えてみる。もしかしたらライバルに…ってのもあるかもしれねぇしな。ありがとな。久しぶりに話せて楽しかったわ」
そう笑みを零せば生徒会室を後にした。
なんだか先を越された気分だった。家柄は全く違うが俺よりも弱々しい響が自分でそう決めていることに少しだけ腹が立った。ただの嫉妬なんだと思う。
そんなことを考えていれば今にでも死にそうな顔の杏里を廊下で見かけた。スルーしようと横切ろうとした瞬間俺の袖を強く引っ張った。
「なんだよ」
「俺生きてる?」
「何言ってんだよお前…」
杏里の弱々しい声に引き気味になりながら話を聞いてやろうとするが倒れそうなため仕方なく場所を移す。ここから近い校庭のベンチへと座る
「で、どうしたんだよ杏里…」
「この頃翼が翼じゃないんだ…」
「は?」
確かに翼は1年の初めとは大分変わったなぁと俺も思うがそんなに気にすることか?そんなことを思ってはそう返してしまって
「友人がこんなにも苦しんでるのにお前は普通なのか?」
「え、いや…杏里ってこんなだっけ?」
いつもクールぶってるアイツが今日はやけに弱々しい男で内心めちゃくちゃ驚いている。
「俺がいないと生きていくことさえ難しかったあいつが1人で生きようとしてるの、なんか…腹立つ」
あー、今の俺と同じ感じか。お前と同盟組みたいとは思ったことねぇけど今は少しだけ肩を組みたい気分だ。
「でも翼も変わろうとしているんだったら傍で見てたらいいんじゃねぇの?」
「なんか翼にだけは先を越されたくない。」
はー、なんとなくわかるぞその気持ち。お前と握手がしたい気分だ。
「だったら杏里も変わろうとすればいいんじゃねぇのか?俺はユニットを立ち上げるって決めたしな!!」
言ってから気づくことが多い、言わなければよかった。
「ユニットを立ち上げる…?お前が?…」
なんかすげぇ大ダメージを受けているらしい、大人びた顔が子供らしい表情を浮かべ吹き出しそうになった。
「ああ、俺も前に進まなくちゃいけねぇし…んならお前も誘ってやらんくもないけど…?」
今なら許されるだろうと王様になったように上から目線で彼にそう言う。
「お前がリーダーに…?頼りにならなそうだけど…」
「俺がリーダーです。鶴北響には絶対に負けません。さぁ陰由良杏里くん、一緒にユニットを立ち上げましょう。」
「ぷッ…なにそれ。まぁ響が相手なら燃えるしいいよ。乗った」
先程まで泣きそうな表情をしていた杏里が俺の言葉で笑顔に戻った。響をライバル視すると杏里が近づいて来ると知り少しチョロい部分もあるのだと知った。
「で、メンバーは?」
「あ…」
「いいよ、俺も探してやるから。目指すは1番、だろ?」
「もちろんだろ!」
あの頃の日々が俺に戻ってくるような感じがした。
1番が大好きだった少年は1度消え去ったが大人になったらヒーローになっていた、
なんてな
大変長らくお待たせ致しました!これから徐々に更新出来たらと思っております…。
よろしくお願い致します




