第十五話「造花」
鶴北響視点
1年があっという間に終わろうとしていた
美影達は居場所を見つけたらしい。気が晴れたような姿をここ最近見かける。
自分の隙間を埋める人が身近にいたなんて知らなかったんだろうな。
僕は最近は雲雀の秘密基地にお邪魔している
何も考えずに居られる僕の大切な居場所___
でもこの頃雲雀はちゃんと授業に出ていないらしい…教師の話を聞いてしまった。僕もこの頃は秘密基地で雲雀と遊んでいるから少しだけ授業をサボってしまうことがある。
雲雀といると非現実的な世界が見れる。僕の見たかった景色。
そんな景色はすぐに終わってしまった。僕がズル休みをしていることが親にバレてしまった。その日はひどく説教された。
「お前に高い金をかけているのは誰だと思っている」
僕は好きでここに生まれた訳じゃない。
早く秘密基地へ行きたい
楽しくない日々は懲り懲りだ。僕に楽しい時間をくれた雲雀が1番悪い子なのかもしれない。本当に楽しいんだ。
この時間を親に壊されたくない
その日も登校してすぐに雲雀のいる秘密基地へと向かう。
いつもの様に雲雀が笑顔で僕を迎える姿はなかった。
もしかして___
勘は嫌でも当たってしまった。僕と遊んでいた友人が雲雀だとバレてしまったのだ。それは後にわかった。
帰りまで雲雀の姿を見かけなかった僕は、直ぐに家に帰った。
父親の所へ向かう。父親の顔を見た途端今までのこと、今日のことが込み上げてきた。
「僕の大切な友人をどうしたの!父さんのせいなのは知っているんだよ!!」
父親も息子が怒鳴った姿なんて見たことがなかっただろう。僕は父親に口出しをすることがなかった。怒鳴ることだって一切なかった。その息子が今怒鳴っている。
父は驚いた顔で見ていた。
父親の表情が元に戻る
「夜長雲雀…くんだね?君がその子のせいで落ちこぼれになったらどうするんだ。私の夢を壊さないでくれ。授業もあまり出ていない問題児とつるんでいるなんて私の息子として失格だ。あの子には罰として1年留年とさせてもらうよ。君はあの子のように馬鹿になってしまったのか。」
「何故父さんが決めるの?父さんは関係ないだろ?父さんの夢を僕に押し付けないでよ!!」
いつも父さんは僕に自分の夢を押し付けてくる。財力で何とかするつもりだろう。
もう嫌だ___
雲雀に沢山教えてもらった。
夢みたいな毎日を見せてもらった大切な友達
きっと明日には…。
その日は眠れなかった。
次の日朝食も食べず親とも合わずに家を出た。
学校に着けば直ぐに僕と雲雀の秘密基地へ行く。
雲雀の姿はなかった___
1年が終わる日まで雲雀の姿は見かけなかった。
赤色のネクタイになった。
遂に2年生だ
桜の花が綺麗だった。新しく新入生が入る。
目が輝いていて夢を持って楽しそうにしていた。
僕は生徒会長になった。ここまではきっと親の思い通り
変えられなかった
1年生を迎え入れている。
その時
橙色の髪色をした見覚えのある姿を見た。
あの日僕の元から消えてしまった夜長雲雀の姿だった。
変わらないネクタイで君は僕に笑顔を向けた
1年過ぎこれから新入生を迎えます。
あの子達も登場致します♪
まずはここまで読んで下さり本当にありがとうございます。




