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私立光ヶ丘学院  作者: ひがしゆ
1章
14/23

第十三話「白色のゼラニウム」

今宵美影視点


この頃本当に変だ。



昔はこんなこと無かった。








ALIVEとしてのLIVEが終わり反省会が終われば俺はいつもだったら杏里と翼と一緒に帰っていた。けど今日は1人で帰りたい気分だった。人気の通らない公園に行けばベンチに座り空を見る。月の光が眩しいほど周りが暗い。


あのLIVEは本当に楽しかった



今日限りのユニットってことは心の片隅で知っていた。わかっていた。でもあのメンバーでまた一緒に出来るんじゃないかと期待もしていた。なのに案外あっさり終わってしまった。夢ばっかり見ていても何も楽しいことは無い。わかってる…わかってるけど…




少しは俺に夢を見させてください。神様__



前がおかしかっただけなのか俺が大人になったのか…夢ばっかり見ていた自分が今じゃ嘘のように見える。



今は現実しか見れない。1番になんてなれるはずがない。この学院に入ってから夢も希望も無くなっていった。


今日のLIVEは本当に楽しかった。振り返って見ると本当は響からユニットのお願いがあった時、すぐに引き受けたがその後企みがあるのかって親友を疑ってしまった。親友を疑ったことなんて1度もなかった。最悪な人間だ





権力を持っていなければ1番になることなんてできない。今日のLIVEで偉い人たちが沢山見に来ていた。だけど響しか見ていなかった。LIVE中、自分しか見れてなかったけど周りの偉い奴らは響しか見ていないってことはよく分かった。それ程にわかりやすかった。その時は響を恨みそうになってしまった。本当にこの頃の自分が変だ…





ぼーっとそんなことを考えていれば



「そこで何やってんの?すげー邪魔」



声が聞こえる方を向けば暗くてわかりにくいが薄い水色?っぽい髪色をしている高身長の少年がいた。まだ声変わり途中の声で同い年か歳下だと思った。



「ああ…悪ぃ。でもお前は夜中に何しに来たんだ?俺が言えることでもねぇけど…」



凄い睨んでいる。こんな夜遅くここの公園にいるなんて変なやつだなぁと思いこちらも睨み返す。



「アンタには関係ねぇだろ。さっさと消えろ」


話し方からして恐らく年下だと思った。自分は今日のことで疲れているため無駄に疲れたくなかった。無視をしてはそのまま座り続けた



「どけよ…おい!無視すんな!」



あーやっぱり年下か。呆れたように相手を見る。



「中学生がなんでこんな夜遅くにいるんだよ…、早く帰って寝ろ」



俺と同じくらいの身長で外見は高校生に見えても中身は中学生だ。警察に補導されることもないと思うが俺からしても邪魔だった。



「うるせぇな!…ってその制服、光ヶ丘の生徒?1年生か」



「そうだけど…志望校か?」



光ヶ丘の制服は周りの学校よりも洒落ているから分かると思うけどネクタイの色までチェックしてる男子中学生なんて少ない。



「ち、…っちげーよ!あんなクソ学校行くわけねぇだろ!!」



図星…か。 

こんな奴も夢を持って光ヶ丘を志望しているなんて



俺もこうだったのかな___




なんだか俺を見ている気分だった。こいつも多分夢を持って光ヶ丘に志望しているんだと思うけどきっと入ったら入ったで俺みたいになるんだろう。



可哀想だ_



昔に戻りたい。

まだ夢を持った人間でいたい。



神様どうか時を戻して



神様に頼るようになる事なんてなかった。


いるわけねぇし…




「まぁ頑張れ」



ため息混じりに言っては公園から出る。そして家へ向かった。





帰り途中に誰かが歌っている声がした。

こんな夜中に歌っている奴がいたら少しは見に行きたくなるだろ。俺は歌声の聞こえる場所へ向かった。

見覚えのある容姿…




翼の姿だった。今日一緒にユニットとしてステージに立ったメンバー、雪白翼だ。

あいつも反省会の時はお礼を言って目を光らせていた。俺ともしかしたら同じ気持ちなのかもしれない。


そっと彼に近づく



「よ、翼。杏里が心配するから早く帰った方がいいんじゃねぇか?」


手を少し上げ彼に近づく。

周りを見ても杏里の姿はなかった。どうして1人なのか気になった。



「美影…。別に杏里なんていいよ。僕のことおいてどっか行っちゃったし…」



どっかに行ったのは杏里の方だと聞けばその杏里はどこに行ったのか、先程の様子だと家に帰った訳では無さそうだった。




「上手くなったな…俺も頑張らねぇと」


歌声を聞き彼の成長を実感した。



「なんでそんなに辛そうなの…?この頃の美影は変。なんだか可哀想」



なぜだか自分を心配しているらしく不安そうな顔をして俺にそう言う。いつもは俺に態度がでかいこいつが言うのは腹が立つ。



前の美影とは別人…



可哀想なんてこいつの口から出てくることが予想外で腹が立った。なんで可哀想に思うのか、普通に生きているだけなのに


可哀想なんて言われたくない



「どこがだよ。どう見ても今宵美影だろ?」



手を広げてはそう言う。



「お願いだから美影だけは変わらないでよ…僕を1人にしないで。なんで…なんでなの、杏里もこの頃僕に冷たいし…。今日みんな楽しそうにしてたの、あれも…嘘?」



嘘なんかじゃない。俺も楽しかった。もっとこのユニットでやりたいって思った。でも声が出なかった



杏里もこの頃は翼とは距離を置いてるように見えた。翼も気づいていたとは思ってもなかったし杏里は練習中もパッとした表情をしていなかった。俺の見間違いかと思ってた



変わらないでって…



まぁ前までは夢を見てるただの馬鹿だったけど普通の人間になっただろ。いい方面に変わってるんじゃねぇのか?



彼の言葉に理解が出来なかった。変わらないでって…何を変わらないで…?



「よくわかんなくなっちまった…ごめん」



彼には申し訳なかった。理解出来なかった。



理解しようとしても理解できない。




なんでこんな学校に入ったんだろう。




なんでアイドルに

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