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私立光ヶ丘学院  作者: ひがしゆ
1章
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第九話「始まり」

今宵美影視点


選ばれた1人の1年生がユニットとしてLIVEをする、1年生にとって特大イベントがある。


今年選ばれた生徒は鶴北響、今じゃ俺の大親友だ。



その選ばれた生徒がユニットのメンバーを選ぶ権利がある。それで下の奴らと一緒のメンバーにして自分を目立たせるやつをいたらしい。

でも響はそんなヤツらとは違うから良い奴を選ぶんだろうなぁ。響はやっぱり優秀だから選ばれたんだろうなぁ…ずりぃ。




教室がざわめき始めた。…ドアに誰かがいるらしい。


響の姿だった。

何故こんなにも響を見てザワザワするのか不思議だった。


ちょうど昼休みで校庭に集合された。集まっているメンバーは杏里、翼…そして同じクラスの問題児、夜長雲雀。あんまし雲雀とは話したことがなかったから変な空気だった。



「集まらせてしまって申し訳ないね。今度のイベントで僕が選ぶユニットのLIVEにみんなを入れたいから集めさせてもらったんだ。」





あの選ばれた響のメンバーになれるのか?__


またとないチャンスだった。このLIVEは誰もが目を引くもの。学院外の客だって来る。

そんな特大イベントに入れること、俺は嬉しかった。



「響がいいなら俺やりたい!」



両手を上げて強く主張する



「それじゃあ、美影は決定でいいかな?その他のみんなは?」


微笑む響を見て拳を強く握りしめた。


ただ単純に嬉しかった。



「俺も楽しいんだったらやりたい。2人だけじゃ大変だろ」


そう雲雀が言ってくれた。問題児でも優しいんだなぁ、


良い雰囲気。



だったが杏里がかき消すかのように


「俺はパス。他を当たってくれないかな」


微笑みながらも響の誘いを断った。



「杏里がやらないなら僕もやらない。」



一瞬で空気が悪くなった気がする。

何故こんなにもいい機会をこいつらは逃すのか苛立った。

3人でもLIVEはできるが響はこう見えて弱っちいし、何かあった時に対処しきれない。雲雀とは話したことがないしどんなやつなのかさっぱり分からない。この3人ではどうしようもできない。



「なんでだよ」


呟いてしまった。俺の中で杏里と翼がいればなんとかなる、そんな気持ちでいたから断るアイツらを見て上手くいかない現実に無性に腹が立った。



次の日、杏里は教室に顔を見せなかった。席が近いと余計にその空白の席が気になる。



授業が終わり休み時間、翼は何か一生懸命ノートに書いていた。


「杏里今日休み?…風邪か?」


一応友達だから俺だって気にする


「お仕事が最近忙しいらしい。」


仕事?あいつそんな歳して社長なのか?



「本当に馬鹿だよね。モデルの仕事だよ。」


俺が小さい声で呟いた言葉を聞いていたのかため息混じりにそう言われた。

ならこいつだけでも響達と一緒にユニットを組まないか誘えるチャンスだと思った。


「お前、なんで入らないの?響がああやって誘ってくれたのに。」


キョトンとしながらまた彼は不機嫌そうな顔をする。空白の時間が流れた。



「まぁ…入ってやらなくもない」


ちいさーい声で呟いた言葉を俺はしっかりと聞いた。なにか考えが思いついたのだろうか。


「マジ?!じゃあ響に言ってくる。……杏里どうしよ」



「杏里の方は僕に任せて。美影は余計なことを言わないように」


何か作戦があるのだろうか、そう思ったのだが杏里も入ってくれるなら間違いなく成功するだろう。あいつの技術は普通科には勿体ないものだと俺だって少しは思っている。



 響のクラスに胸を躍らせながら向かっていった。



何かが始まろうとしている___



このメンバーでユニットを組めば怖いもんなしだ

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