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とこちゃん・ひとちゃんシリーズ(童話)

おくりものはなににしようかな

作者: 瑞月風花


 おばあちゃんにもらった箱にはクレヨンでお絵かきしました。


 何が好きかな?


 とこちゃんは、りんごといちごとみかんがすきなの。


 とこちゃんはね、きらきらするものもすきなのよ。だから、おかあさんに買ってもらった大きなビーズにゴムを通してあげますね。あおいろときいろ、それから、白色にはピカピカが入っているのよ。おまけにリボンの形も入れてあげるからね。


 おとうさんにもらった白い紙にはとこちゃんの大好きなものをかきました。


 おかあさんと、おとうさん。とこちゃんもニコニコしてるの。


 あなたはどんなお顔をしているのかな? 


 きっと、にこにこ。


 だから、大きなお口はにっこにこ。


 とこちゃんはね、きっとあなたが大好きなの。


 だって、あなたのお姉ちゃんなんだから。


 妹ってどんなだろう? 赤ちゃんて、どんなだろう。


 おねえちゃんってどんなだろう?


 赤いお顔をしているのよ。ちっちゃいのよ。何にもできないのよ

 

 お姉ちゃんは大きいの。なんでもできるんだよ。赤いお顔なんてしてないんだよ。


 とこちゃんはおばあちゃんとお家でお留守番をしています。お姉ちゃんだから、お留守番できるんだよ。


 すごいね、お姉ちゃんだね、って言われるんだよ。


 お姉ちゃんはすごいんだよ。

 

 帰ってきたら、一緒にお散歩しましょ。


 あの角のわんちゃんと、お庭の先に来るネコちゃんを教えてあげるから。


 白い線を歩くと楽しいんだよ。


 落っこちちゃだめなんだ。


 かわいいぴんくのおくつも貸してあげる。

 

 この絵本も読んであげる。メルぽぽちゃんもさわっていいよ。


 どれもとこちゃんの好きなもの。


 とこちゃんはね、おかあさんが大好きなんだよ。


 だから一緒にお風呂に入ろうね。


 だから一緒にお布団に入ろうね。


 いっぱいいっぱいぎゅうってするから。いっぱいいっぱいぎゅうってしてね。



「ただいま」の声に玄関の扉が開きます。おばあちゃんよりも先に飛び出したのはとこちゃんです。

「ねぇ、あかちゃんは?」

真っ赤なお顔の赤ちゃんがとこちゃんのお顔をじっと見つめます。

「おかえり、あかちゃん」

赤ちゃんの名前はひとちゃんです。

「ただいま、とこちゃん。よくがんばったね」

おかあさんとおとうさんがほめてくれました。



 開きっぱなしのお部屋の箱の中には、ひとちゃんと遊ぶための宝物がたくさん詰め込まれていました。だけどこの箱を開くのは、もう少しひとちゃんが大きくなってから、になるのでしょうね。



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― 新着の感想 ―
[一言] あえて冬童話2020で検索して本作に巡り会いました。 可愛らしいお姉さんの心情を表していてとても素敵でほっこりします^_^
2020/12/18 17:33 退会済み
管理
[良い点] 可愛いかったです。 チビッ子の思考はどうなっているのか謎だなぁと思いますが、とこちゃんみたいな感じなのかなと楽しく拝読しました♪
[良い点] とこちゃん、かわいいですね。 素直さや愛されて育った様子が、短いなかに凝縮されていて、とても素敵なお話でした。 特に「おかあさんが大好き」というところや、これからしてあげることを考えている…
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