勇者 産まれた
まずは勇者(中身魔王)からはじまります!
…………産まれた。
俺たちの子供がやっと産まれた!
元気な男の子が無事に産まれてくれた!
俺たちの可愛い子供が産まれて俺はつい泣いてしまった。後になって恥ずかしくなるだろうけど、今は感動して仕方ない。
「あぁ……ありがとう!頑張ってくれたなアイリーン!」
「アッシュ……ありがとう……私、ちょっと疲れてしまったわ」
そういってアイリーンは眠る。
「おやすみ!アイリーン!」
俺はそう言ってこの子を大事に抱きかかえた。
「お前の名前はもう決まってるんだ。これからよろしくな。ルイン」
そう言って赤ん坊を見つめた。
そして時間が過ぎて、5歳になったルイン。
「パパ、ママ!これどう使うの!」
魔力適性検査に来ている。
魔力適性検査は、魔力量と魔法適性を調べるものだ。
魔力量の検査は、魔法を使うための魔力であるため、どれだけ大きい魔法を使えるか、が検査される。
また、魔法適性とは魔法には種類があり、その種類のことを属性と呼ばれている。
属性は主に6つ。
火、風、水、土の四つの自然属性
光と闇の特殊属性
この六つのどれに適性があるかを検査するのである。
また、検査方法は魔法陣が床に書かれており、真ん中で立つことで少量の魔力を吸われる。まず、属性を検査し、その後に魔力を徐々にまた吸い始め、量を検査。
判断は属性には色があり、それぞれの色に光った時に適性が決まる。
また、魔力量の測り方は光の強さで決められている。
「ルイン、この魔法陣の真ん中に立ってごらん」
「わかった!」
そう言ってルインは魔法陣の真ん中に立つ。
検査が始まる。
まず少量の魔力が流れ……赤……青……緑……茶色……白……紫……と六色光る。
「「「!?」」」
また魔力を吸い始めた。
光が色をつけるのをやめ白色になり、光を少しずつ強くしていった。
……20秒。光は既にかなり明るい。ライトの魔法のようだ
……40秒。もう目を開けるのがちょっと辛くなってくる。
……1分が経った。
「やめ!」
そう検査官から発せられる。
「何という魔力量!素質も全ての属性あるとな!ありえん。これは過去に勇者のみと言われていたものとほぼ同じであるぞ!?」
そう。全ての属性……それは『ほぼ』勇者と同じ結果なのである。
「魔法にかなりの適性があるようです!ぜひ魔法を極めさせてやってください!」
「「はい!もちろんです!」
アッシュもアイリーンもこれほどの感動はなかった。かつて魔王と戦い、人類に平和をもたらしたと言われている勇者と同じなのだ。
感動しないわけがない。
しかし疑問が残る
「なぜ闇まで適性があるのだ」
そう。人間に闇の属性など使えたものは過去に一度もいなかった。