青春は空気のように澄んで済んでいる
初めて小説というものを書き始めました。
どうか温かい目でよろしくお願いします。
暑い、いくら窓際という最高の座席を確保しても風が吹かないと暑いものは暑い。
高校生活も始まり最初の夏休みをじきに迎えるクラスのみんなは夏休みの予定、たとえば海、夏祭り、部活、肝試し、デートetc。高校生が集まれば夏休みなんて本当一瞬で予定は埋まり充実した高校生活最初の夏休みを終えるだろう。
「はぁー。」
かく言う俺も同じ、高校1年生なのだがみんなと1つ違った特殊な事情を持っていたりする。それは、
「じゃあみんな高校最初の夏休み、羽目を外しすぎないように、あと宿題はちゃんとするように以上!」
担任がそういうと同時にチャイムがキーンコーカーンコーンっと夏休みの開始を知らせる。
封を切られるようにクラスのみんなは「部活行こうぜー」やら「プールの水着買いに行こうよ」などの会話で教室内は賑やかになっていく。
夏休みどこに出かけるのだろうな。友達や恋人と、中学生とは違うほんの少し大人になった彼らは新しい友達または恋人とともに思い出を増やすのだろう。
「はぁー。帰ろう。」
夏の蒸し暑さで暖められる身体と反比例して俺の目やこころはどんどん乾燥して冷めていってしまう。
問題、外は熱々、中は極寒ってなーんだ?
正解は俺!……よし帰ろう。
こんな意味のないことを考えて、ふざけてクイズを出す相手もいないのは、俺が友達がいない。という少し特殊な事情を持っているからだ。
予定なんか合わせなくても一人で自由に立てれるという自立心とフリーな心持ちの俺は将来フリーターの素質充分!やったね!
などと益体もないことを考えていると、ほんとんどのクラスメイトが部活や帰路についたガランとした教室をあとにしようと立ち上がる。
脳に無理やり詰め込んだ英単語のせいで容量はいっぱいだと言うようにやってきた眠気を払うように勢いよく教室から出ようとして、呼び止められる。
「青井君、ちょっといいかな?返信なかったんだけど明日はこれそうかい?」
そう話しかけてくるのはクラスの中心人物たる菊池。成績優秀、人付き合いもよく、サッカー部のエース、そしてイケメン。まさに絵に描いたような完璧なモテる男である。
「返信ってなんの?」
全く心当たりがない、返信って言われてもお前の連絡先すら知らんのだが、
すると無駄に自慢の髪の毛をかきあげると少し怠そうに答えてくる。
「ほら、クラスの集団ラインで言ってただろ?今日肝試しやるって、それの返信だよ。」
やれやれといった顔をしてるが一言いってやる。
「いや、集団ラインに俺いないんだが、」
…………。
「あ、あれ?そうだっけ?」
菊池はすぐさまスマホを開くと確認すると、申し訳なさが3割と憐れむような目が7割といった表情の苦笑を浮かべている。
「あーーすまない。えっと、どう?今日なんだけどこれそうかな?」
菊池は足早に確認をしてくる。まぁ確かに俺もこんな会話早めに切り上げたい。
「いけるよ。」
「よかった。じゃあ19時にこの教室集団でよろしく。」
菊池はちらりと窓の外を盗み見る、外ではサッカー部らしき人たちがダラダラと部室へと向かっていた。
なるほどね。
「学校でやるのか?」
どうでもいい事なのが、あえて聞いてみる。
「あぁ、先輩たちが今年の文化祭で肝試しやるらしいんだよ。だからそれの実験と、このクラスの親睦も兼ねてね。」
俺の質問にも丁寧に答えると、もう話はおしまいとばかりに荷物を持ち上げて、教室の外へと向かっていく。
「じゃあね。また連絡するよ」
そう言って去っていく。彼は素晴らしい夏休みが待っているんだろうな。
ってか俺の連絡知らないのにどうやって連絡するんだよ、クラスのラインも招待されてないし……なにこれ新手のラインいじめ?
俺の夏休みは素晴らしくないんだろうな。
必ず完結させます。