漆
テストや色々なスランプで投稿が遅れました。
すみませんでした。
カァカァと、カラスの鳴き声が聞こえる。
ここは鞍馬山。この山の頂点辺りに、翼さんがいるらしい。
だが、気を付けろとはどういう事だろうか。
と、いうより…
「…大丈夫か?」
「…大丈夫…、じゃないかも…」
私は、鞍馬山を舐めていたかもしれない。
いや、完全に舐めていた。
「この山キッツ…!」
道は凸凹が激しく、障害物もかなりある。
それを座敷くん達は息一つ切れていない。
妖怪ってすごい…
それと、何処からか音が…?
「危ない!!」
座敷くんに押されて転ぶ。
そして頭を何かが掠った。
あまりの驚きに声を出せないでいると、次々と妖怪が出てくる。
「…鞍馬山のものでは無いな、誰だ。」
暁さんがいう。
すると敵はいう。
「お前に様はない。質問に答える義理もない。」
私はまだ頭が混乱していたが、これだけはわかった。
ここにいる見知らぬ妖怪は、みんな敵なのだと。
それから敵は攻撃を仕掛ける。
私は戦えないため、暁さんが守ってくれているが、それでも少しだけ辛そうだ。
『私がいるから』
一瞬だがそんな考えが過ぎる。
そして、一瞬のスキを突かれ、私が狙われる。
あぁ死ぬのかと思った時、大きく黒いものが現れたのを私は見逃さなかった。
「…無事?」
黒い羽が立派な烏天狗だった。
おそらく、この人が翼さんなのだろう。
「遅いぞ翼、何やってたんだ。」
「寝てた。」
寝てたって…、即答ですか…
「相変わらずか…、本当にお前は何考えているかわからん。」
「ありがとう。」
「褒めてない。」
こ、この妖怪不思議ちゃん…?
ミステリアスな人だな…
「翼、こいつら吹き飛ばしてくれ。」
「…了解。」
そう言って羽団扇で人扇ぎすると、途端に竜巻のような突風が吹いた。
「えっ、ちょ、わぁあああ!?」
「ったく!」
思わず吹き飛ばされた私を、暁さんが抱えてくれた。
「あ、ありがとうございます…」
そう言うと、暁さんは呆れていた。
「気を付けろと言っただろ…」
あ、このことだったんだ。
その後、何事もなく翼さんの家へと進んでいった。
敵妖怪は放置である。