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あやかし横丁  作者: 社 那月
6/7


それから三日経ち…


「見つからないな…、姉御…」


まだお菊ちゃんは見つかっていなかった。


「…だ、大丈夫だよ!きっと見つかる!」


私は励ますも、暁さんの言葉で崩れた。


「…どっかでのたれ死んでるんだろ。」


暁さん!!それは言ってはダメです!!


案の定、座敷くんは言い返す。


「そんな事ない!!姉御は強いんだ!!姉御は今まで負けた事ないっ!!…絶対、生きてるんだぁ〜!!」


ついに座敷くんが泣き出してしまった。


「あああ、泣かないで!」


「…はぁ、これだからガキは…」


「暁さん!」


暁さんはやれやれと言った顔で言う。


なんとかなだめていると…


「優香ー!」


「あ、夢美!どうしたの?」


夢美がこっちに走ってくる。


「お、お兄ちゃんが!!」


「「え?」」


暁さんと私は顔を見合わせる。


そして、あわてている夢美をなだめて、話を聞く。


「とにかく来て!!」


そう言われたため、店へ行く。


そして、着いた時一番最初に見たものは…


「…薫…、さん…?」


傷だらけで休んでいた薫さんだった。


「薫さん!?」


声をかけると目が開いた。


「…あぁ、優香ちゃん。…ごめんなさいね、こんな姿で…」


「そんな事言ってる場合じゃないです!どうしてこんな事に!?」


「…アタシとした事が、やられちゃったのよ。…少しも気づけなかった。あ〜ぁ、しばらく動いてないからカンが鈍っちゃった。アンタと一緒に騒いでいたのが懐かしいわよ。暁。」


一人ハテナを浮かべていた私に、薫さんは笑いながら説明してくれた。


「あぁ、優香ちゃんはわからないわよね。昔は私と暁と犬っころ、あと二人くらいで暴れまくってたのよ。」


「へぇ…」


暁さんも…


ちょっと想像してみたが、今とあまり変わらなかったのでやめた。


でも薫さんは…?


「あー、あの頃が懐かしいわ〜…」


「…お前が気付かないとなると、かなりの強敵か…?」


「…うーん、鈍ってるし、はっきり強いとは言えないけど…、雑魚では無いわね。いくら鈍っててもまだ雑魚に負ける程では無いわ。」


口ぶりからして、昔はかなり強かったようだ。


「なんか手がかりは無かったんですか?誰か見たとか…」


「…うーん、風…、突風が吹いたわ。かなり凄いやつ。」


「おい、それって…」


暁さんが珍しく少し焦っている。


「…あの子では…、ないと思うんだけど…」


「あの子?」


私は二度目のハテナを浮かべた。


すると今度は暁さんが教えてくれた。


「神社の東に山があるだろう。その山にアイツ、烏天狗の翼が住んでいる。知り合いで突風を作ることが出来るのはアイツだけだからな。」


「なるほど…」


つまり、その人に疑いがかかっているのか…


「それと、女の子を見た気がするわ。なんか丸いものを持っている女の子。」


「!!」


座敷くんの動きが一瞬止まった…?


「…まぁ、とにかく翼の所へ行くのがいいだろう。」


「…そうね。…私は怪我で行けないけど…、優香ちゃんも行くんでしょ?三人で大丈夫なの?」


「そうだね。私もお兄ちゃん残して行けないし…」


心配する二人をなんとか安心させて、私達はその場を立ち去った。


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