表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやかし横丁  作者: 社 那月
5/7

犬神さんと別れた後、初めて聞いた暁さんのデレに顔を綻ばせながら神社へと帰ると、誰かが倒れていた。


「暁さん!!誰か倒れています!!」


そう言うと、暁さんは心底不思議そうな顔をした。


「は...、誰かが倒れてるなんて、日常茶飯事だろ。」


「なっ!?そ、それは...」


確かに、妖怪の世界では当たり前なのかも、でも私は人間だ。


「...私は人間ですから。」


そう言って、私は倒れている妖怪を支えた。


「大丈夫!?しっかりして!!」


意識がない、見たところ男の子のようだ。


このくらいなら私でも抱えることができる。


私は急いで中に運び、必死に手当てしようとする。


しかし、私はここに来たばかり、包帯や消毒の場所なんて知るわけもなく...


それに、暁さんは...


「......」


私が勝手にここに知らない妖怪を入れたのが悪かったのか、すごく不機嫌である。


隣の部屋にいるくらいだし、きっと聞いても教えてくれないだろう...


仕方ない、覚悟を決めよう。


私は、とある理由で使えなかったハンカチを使って、特にひどかった腕の傷を止血する。


「よし、あとは水で血を洗い流せば...」


私は桶の中に水を入れ、男の子についている血をぬぐう。


少し痛かったのか、男の子の目が開く。


「あっ!ごめん、痛かった?」


「いや...」


男の子はなにやら浮かない顔だ。


「アンタ、だれ?」


「私は優香。君は?」


男の子は起き上がって、胡坐をかき、名乗った。


「オイラは座敷童。座敷って呼ばれてる。...んで、アンタが助けてくれたのか?」


「え、うん。」


「...そ、なら姉御をしらねぇか?お菊って言うんだ。」


焦っているような顔でそう聞く座敷くん。


「...ごめん、知らないや。」


「そうか...」


あきらかにがっくりしている。


どんな子か聞いてみる。


「あのな!あのな!姉御はめちゃくちゃつえーんだ!普段は少し気が強いけど、おとなしいし、俺ら性格真逆だけど結構上手くいってんだ!」


「へぇ、すごいね!」


「だろ!?そんでな!そんでな!」


...この後、一時間も話に付き合う羽目になってしまっていた。


そして一時間後。


「って、こういうお方なんだ!姉御って!」


わかったこと、お菊ちゃんと座敷くんはいいコンビ。


そして、座敷くんはおしゃべり好き。


でもその子のことがよくわかった。


「へぇ、そんな子なんだ。もし、見つけたら知らせるね?」


「ああ!」


座敷くんの話をまとめると、お菊さんというのはお菊人形らしい。


黒髪で、黒い着物、菊の花のかんざしを付けているという。


そして、当の本人は...


「見つかるまでここにいていいか!?」


「ええっ!?」


と、いうことで、同居人が増えました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ