参
九尾さんに揺られてついたのは、そこそこきれいな神社だった。
「神社...!」
「...ついてこい。」
結構怖い声で言われたため、多少びくびくしながらついていく。
それでついていくと、ふと立ち止まり、いきなり肩をつかまれ、壁に打ち付けられた。
「いッ!?」
痛みで顔をゆがめると、九尾さんが怖い顔で私をにらむ。
「...お前、何者だ。」
「...え、普通の女の子ですけど...」
即答で答えると、さらに睨まれた。
「嘘をつくな。人間はここには来れないはずだ。」
いや、そんなこと言われても...
「嘘はついてないです!」
「......」
「......?」
なぜか、じっと見つめられた。
それから、笑われた。
「えっ!?あの!?」
なぜ笑われているんだろう...
「お前、おもしろいな。」
なんで!?
そして、九尾さんは私に究極の二択を迫った。
「...気に入った、選べ人間、ここで死ぬか...、俺の嫁になるか。」
えっ、嫁?
「...はい?」
嫁?え、あのつまりそれって私と九尾さんが...!
「よし、はいと言ったな。」
「えええええ!?」
もう決定!?
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なんだ。」
たまらず、待ったをかけた。
かといって、なんといえば...
あっ!!
「か、考えさせてください!」
これなら、殺されることはまずないだろう。
「......フン、いいだろう、ただし、ここから逃げないことが条件だ。」
「あ、ありがとうございます!」
こうして、私は九尾様の嫁候補(という名の世話ががり)になったのだった...