壱
初めまして、社 那月です。
この度は、この小説を読もうとして下さり、ありがとうございます。
今回は最初ということで、一番書きたかった妖怪の話を描こうと思います。
と、いっても、私が描く物語は妖怪が多いと思います。
私としては妖怪の話って一番書きやすいんです。
妖怪というのは説は多いですが、まだ詳しくわかっていない未知の生物。
他の人間同士の話だとある程度常識という物があります。
しかし、妖怪にはそれがない。
弱肉強食なのも日常、差別があるのも日常、共食いや人を殺すのだって日常な世界それが妖怪界なのです。
そんなの、人間界じゃありえないですよね。
でも、そんな二つ世界が絶対しないものもあります。
それが、人間と妖怪の結婚なのです。
人間からしたら妖怪は恐ろしい化け物。もしくは架空生物。
妖怪からしたら単なる食べ物。
ならばその原理をぶち壊そうと作った作品が『あやかし横丁』なのです。
一人の少女と、一人の妖怪と、一人の少年(その他もろもろ)の物語をどうぞお読みください。
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音とともにたくさんの生徒が下校する。
もちろん私も...、と言いたいところだが、私は残らなければならない。
「和磨君め...」
理由は、親友の和磨の事だった。
彼の本名は平山和磨。
父親がパティシエで、その跡を継ぐために特訓中なのだとか。
「だからって...、自分の課題を押し付けないでよ~!」
課題というのは彼が授業中に寝ていたため、追加で出されたプリントである。
それを私に押し付けて、当の本人はパティシエになるための特訓中。
彼が寝てしまうのは、寝る間を惜しんでパティシエの勉強しているからで、仕方ないのかもしれない。
だけど、自分の事は自分でやってほしいものである。
そして、毎回彼の頼みを聞いてしまっている私は宮内優香
華の高校二年生である。
「よし、おわった...」
プリント類を急いで彼の家に届けるころには周りは真っ暗だった。
「おう!ありがとな~お礼にキスでも...」
そう言いかけてたので、爽やかな笑顔|(無言の圧)で黙らせた。
こういうところがなければ、彼はモテただろう。
いわゆる残念系イケメンとは彼の事だと思う。
そして、帰ろうとしたとき、彼が送っていこうとしたため、丁重にお断りした。
彼がついてくると女がついてくるからである。
家の帰り道をいそいでいる時、どこからか音が聞こえた
その音についていくと...
「どこ、ここ...」
わたしがいたのは、見知らぬ横丁だった。