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ワールズ·エンド  作者: 文音モク
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妙な夢

初投稿です。楽しんでいただけると嬉しいです。


twitter→https://mobile.twitter.com/humine_moku



ーーどうしてこうなってしまったんだろう。


世界が滅んだ、そんな光景をしていた。

目に入る建物は全て崩れ落ち、瓦礫へと変遷されたコンクリートが眼界に広がっている。

燃えるものは全て焼失して、空を黒くし、またありとあらゆる生命を焦がしていた。


目が覚めた。


「夢?」


妙にリアリティがあり、胸が苦しくなるような夢だった。それに何故か罪悪感と孤独感も感じていた

目の辺りに違和感を感じたので拭ってみると


「くそっ、なんで泣いてるんだ」


あまりに悲しかったのか、拭っても拭っても涙が出てくるほど雫は泣いていた。


「今日から高校生だっていうのに……」


ため息混じりにそう言った。


「こらー雫起きなさーい」


母さんの声だ。複雑な心境にある雫であったが、雫は不機嫌そうに母に向かい震え声で答えた。


「チッ……もう起きてる」

「なんでそんな不機嫌なのよ!こっちは寝そうだったから起こしてやったのに!」

「知らねぇよ!」

「今日から高校生なんだからビシッとしなさいよね!ビシッと!」

「分かったって……」


俺はますます不機嫌になりながらも、制服に着替え、髪を整えてから朝食をとりはじめた。

そんなことをしていたら涙は止まっていた。


サクッ……サクッ……

「ごちそうさま。歯でも磨こっかな」

「ねぇ雫、出ていく時ゴミ捨ててから行ってね」

歯を磨きながら雫は言った。

「うん」

洗面台に行き歯を磨き終わってから鏡を見てみるとまだ寝癖が立っていた。

「あれ?さっき整えたはずなんだけどなぁ……」

怪訝な顔をして再び髪を整え、ゴミ袋を持ち外に出ようとドアノブに触ろうとすると静電気が走った

バチッ……

「痛てっ……今日は厄日か……」

そんな言葉をあとにして雫は外に出て行った

「いってきまーす」



駅のところで幼馴染みで高校も一緒になった結城 未来と待ち合わせをしていた。未来は何故か生まれつき髪が青かった。だいぶ待たせていた様子だったので、申し訳無さそうに雫は言った

「待ったか?」

久しぶりに会ったからなのか未来は顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにこう言った

「えっ?あっ…待っ、待ってないよ……」

雫は安心しこう言った

「そうかならいいや。行くか」

「待って……今日の髪、型どっ、どうかな?」

「あぁ……ツインテールでまぁまぁ可愛いんじゃね?」

「そ、そう……」

未来は顔を赤らめていた

予定通り電車に乗り、暇だったので雫と未来は駄弁っていた。

「今日なんか変な夢見てさ」

「ど、どんな夢?」

雫は顔の表情何一つ変えずこう言った

「簡単に言うと世界が滅んだ夢」

その時電車内のえらく効いたエアコンの音が響いた。

未来は俺を心配すると同時に安心させようとするために苦笑いしながらこっちを見てきた。

「いや、本当だからね!?」

羞恥心に駆られて俺は必死に悶えていた。

はぁ……なんであんなこと言ったんだ?言う必要あったか?言っても俺が厨二病こじらせているみたいじゃねぇかよ……

自問自答し続ける雫は最後にこう思った

今日はほんっとに厄日だな……


そんな様子の雫を見ていた未来は可哀想に思えてきたのか慰めるようにこう言った

「た、たまにはそんな夢も見ると……思うよ、多分……」

雫は一転してふてぶてしい態度をとりながらこう言った

「多分ってなんだよ! 多分って! 慰めになってねぇぞ!ほんとだから!本当にその夢見たんだって!」

「あはは……」

そんなことをしていると電車内にアナウンスが入った

「叢雲駅ー、叢雲駅ー。お出口は右側です」

雫は溜息をつき未来にこう言った

「ほら、行くぞ」

「うん」

駅から学校への道のりはそう遠くなく歩いて10分ぐらいで着く距離だった

春だったので桜の花びらが舞い散っており、まるで現実から離れた、幻の世界を歩いているような景色の中、俺達2人は学校へ向かって行った

その時2人は桜に見惚れていたのか、何も会話をせず、淡々と坂道を降りていった


学校に着いた。その学校は学力も特に頭がいいわけでもなく、逆に悪いわけでもなく、ごくごく普通で正式名称は稲雲学園高等学校という高校だ

雫は溜息混じりにこう言った

「はぁ……今日からまた学校かよ……」

そうすると未来は嬉しそうにこっちを見ながら改まってこう言ってきた

「今日から高校生なんだよ! 私達、今、青春のスタート地点に立ってるんだよ!!」

「なん…」

雫は呆れた顔で何か言おうとしたが……

未来の勢いは止まらない。雫が口を挟む余地もなく未来は喋り続けた

「高校生になったからにはね、部活と恋に精進して青春を謳歌しないといけないんだよ!うん!そういう義務なんだよ!青春なんだよ!恋なんだよ!」

雫は唖然として聞いていた。やっと話が終わったかと思い未来にこう言った

「なに? お前彼氏欲しいのか?」

未来は有天頂にのぼっていた自分の心を取り戻し、正気に戻ったかと思えば今度は顔を赤くして恥ずかしそうにこう言った

「いやっ……ちがっ、違います、す……」

雫は呆然としてこう言った

「どっちだよ……」

そうしてるうちに始業式への時間が迫っていた

「ほら行くぞ」

「うっ、うん……」

最後まで読んでいただきありがとうございました!次回12月11日更新の予定です

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