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『宝石血液の記憶・黄金』
(氷の粒が弾ける音が小さく響き、白い吐息が紙を白く曇らせる。サファイア色のインクが、闇をなぞるように滑っていく)
……日記、……○月○日。……冷気は、……いつか……すべてを白く染めてしまうけれど。 ……世界には、……凍ることを拒む……『熱』がある。
……高貴な血。……重すぎる……誇り。 ……それは、……誰かの盾になろうとする……歪で、……けれど……眩しすぎる……紅玉の輝き……。
……かつて、……黄金の煤が舞う街で……、 ……その王女は、……泥の中に……自分だけの……宝物を見つけたわ……。
……思い出せない……その手の温もりを、……私はせめて、……このインクで……なぞっておきましょう……。
……これは、……陽だまりを知らない二人が……、……本当の……『家族』になるまでの……お話……。




