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怪盗の話  作者: hara
7/12

⑥メディアに対して懐疑的な不二子さん

・マンションの一室、部屋の前(午後)


マンションの前で七世がインターフォンを鳴らす、その様子を撮影している撮影陣

ピンポーン、インターフォン越しに不二子が答える

不二子『はい』

七世『あ、あの七世です、ケーキもらってきました』

不二子『はい、どうぞ』


インターフォン切れる

七世『じゃあ入っていきます』


カメラを回しっぱなしにしながら部屋に入っていく

~カット割る~


家の中、不二子さんと相談している七世を撮影しているカメラマン

七世『あ、あの、取材してもらってて、不二子さんも思うところがあるって言ってたじゃないですか?そういうのをやりたいみたいな』

不二子さん『、、、』

不二子さん『ちゃんとやってくれる?』

ディレクター『あ、はい!、、、あのすごい活躍された伝説の女怪盗を取材させて頂けてとても貴重な機会で、、、ありがとうございます』


~カット割る~

不二子の部屋の中、

不二子は七世に指示を出している

不二子さん『ねえ、イチゴちゃんと洗ってのせてね?』

七世『はい』

不二子さん『どこのイチゴ?』

七世『あの駅前のスーパーの』

不二子さん『八百屋で買ってって言ってんじゃん、、、町内会の、付き合いがあるから』

七世『すいません』


七世がイチゴを洗い、洗ったイチゴを七世がイチゴのないショートケーキにのせていく


~カット割る~

荷物を準備している不二子さん

不二子さん『取材ってそれ、大丈夫なの?』

七世『なにが?』

不二子さん『顔とかバレるじゃない』

七世『いや、あのモザイクとかをあとでしてもらうから』

不二子さん『本当に大丈夫?』


~カット割る~

不二子さん『これ、申し訳ないんだけど、本当のことしか言わないから』

ディレクター『あ、はい』

七世『不二子さん、今日は午後から町内会のゲートボールの運営するから、あんまり時間がないらしいから、ちょっと、気つけて』

ディレクター『はい』


~カット割る~

!インタビューパート!

インタビューパートの流れ、セリフはない、不二子さんの話をただ撮る

ディレクターの質問で不二子さんの話を誘導していく

~不二子さんの話の流れ~

第一段階① メディアが勝手に報じた

第二段階② 業界を盛り上げる為、一肌脱ぐような気持ちで、広告塔を演じた、怪盗はエンターテイメントの世界でもあるから、

第三段階③ でもそれは今になって思うと男尊女卑のような考え方でしかなかった、ここまでイメージに極端な演出が加えられるとは思わなかった

第四段階④ 怪盗にこんな破廉恥は通用しない

第五段階⑤ 若い時の自分は間違っていた、独り歩きして暴走し続ける不二子のイメージ


ディレクターの質問集

① メディアが勝手に報じた、不二子のイメージはメディアの捏造

『三世さんとのご関係は、時にはライバルであり時には仲間であり時には恋人でしたが、本当のところは三世さんとどんな関係でご一緒されることが多かったんですか?』

『なぜ三世さんとお付き合いされなかったのか?』

『当時の三世さんにどんな思いを抱いていたのか?』

『全くのプライベートで三世さんはどんな姿だったのか?変装をしていない時の三世さんを見たことがあるのか?』

『プライベートの時と仕事の時で三世さんの不二子さんへの扱いは違ったか?』


② 業界を盛り上げる為、広告塔を演じた

『どうしてメディアは実際の不二子さんと異なる描き方をしたのか?』

『メディアの描き方に対して反感はなかったのか?』

『実際の自分を表現しようとは思わなかったのか?』

『当時のディレクターの演出意図に沿ったインタビュー等の改ざんのようなことが行われていたのか?』

『メディアに接する多くの人をだましてしまっていたのか?』


③ でもそれは今になって思うと男尊女卑のような考え方でしかなかった、ここまでイメージに極端な演出が加えられるとは思わなかった

『どうしてセクシーなイメージが根付いてしまったのか?』

『不二子さんをセクシーにしていくというアイディアは誰がなぜ言い始めたのか?不二子さん自身が言い始めたのか?』

『性の対象として見られてしまうことを当時はどう考えていたのか?』

『性の対象として見られてネガティブな思いを抱いた事はあったか?』


④ 怪盗にこんな破廉恥は通用しない

『怪盗をする際にはバイクに乗ることはあったのか?』

『ぴったりとした体のラインを強調するような服装で怪盗をされていたのか?』

『実際はどんな服装で仕事をしていたのか?』

『仕事の時には武装していたのか?』

『実際にこういう恰好で仕事をすれば相手を油断させられると思うか?』


⑤ 若い時の自分は間違っていた、独り歩きして暴走し続ける不二子のイメージ

『三世さんのような特別な怪盗ではなく一般の男性の怪盗と比べて、不二子さんの能力は劣っていたのか?』

『女性や男性というくくりではなく一人の怪盗の部分を中心にして描かれればこのようなイメージとはまた違った不二子さんのイメージが根付いたのでしょうか?、、、その場合はどちらのイメージが良かったか?、、、個人的には?、、、社会的には?』

『昨今の女性に対する男性のスキャンダルや風紀の乱れをどう思うか?パパ活とよばれるような行為や不倫問題などについてどう思われるか?』

『女性の社会進出や活躍についてどう思われるか?、、それは進んでいるのか?遅れているのか?十分に女性が活躍しやすい世の中なのか?』

『怪盗の世界で不二子さんが女性であることがハンディになると思ったときはあったか?』

『漫画やアニメ、映画での女性のキャラクターを性的に描くことについてどう思うか?』

『漫画やアニメのキャラクターの中には不二子さんのように歴史上に実在する人物を時にはもともとの男性を女性にして性的に描くこともあるが、それも踏まえて性的に描くことは正しいと思うか?』

『不二子さんのキャラクターの描き方は、そういった世間の流れに影響を与えてしまったと思うか?』

『怪盗の世界で男性にも劣らず活躍していた不二子さんが、今、女性が活躍しやすい社会を作るためにできることは何か?』


~~~~~~~


ディレクター『あの、ええっと、いまだにご存命とはしらなくて、その、、、急遽インタビューを受けて頂いてありがとうございます』

不二子『別にいいけど』

ディレクター『あのう、まず、今回インタビューを受けて頂いた理由みたいな物ってありますか?そのMさん?の取材って前例がないといいますか?いままで経歴以外の素顔の部分というか、どんな人物なのかの記録が少なくて』

不二子『私はこういうインタビューは受けてきたし、たのまれたら断らないです』

ディレクター『ではどうして、Mさんの人物像についての情報とか記録はあんまり世に出てないんですか?』

不二子『それは、イメージが合わないんじゃない?』

ディレクター『イメージが合わないっていうのは?』


~カット割る~


不二子さん『あのね、質問に質問で返すようで悪いんだけど、あなたは私のどんなところを知りたいの?』

ディレクター『それは、やっぱり、当時のご活躍ですとか、某三世との関係とか』

不二子さん『私、三世とは顔見知り程度なんだけど』

ディレクター『え、でも、メディアでは某三世がMさんにあこがれてて、それで時にライバルであり時に協力者であり助け合ったりして、公私ともに密接な関係があるみたいな』

不二子さん『それはアニメとか漫画の話じゃない?、、、あの三世とはね何回か顔は合わせてるけどそれは狭い業界だから別にそんなに深い関係があったわけじゃないんだけど、うーんなんていうんだろ、そのさあ、女怪盗っていうので尾ひれをすごいつけたんじゃない、そっち側が勝手にあのね、あの、ちょっと考えたらわかるとおもうんだけど、あんなわざとらしく派手な格好してさあ、しないよ盗みを』

不二子さん『ああいうね、男の人がね、そういういかがわしいような内容が好きなのはわかるんだけど、でも実際はそういう人はいないの、それをわかってほしいって思って今日はインタビューを受けようと思ってるの』

不二子さん『私、あれがめっちゃいやなの、あのなんか悪役に捕まってさあ、それで、なんか、破廉恥な事をされるの、それで三世助けて~みたいな、あんなん現実であるわけないからね、普通に考えてね、自分のね大切なものを奪いに来てるやつなんだよ、男も女も関係ないからね、だって銃とか持ってたら女でも男でも一発でおわっちゃうんだよ、そんな状況でね、相手を性の対象みたいに扱えないよ、絶対に、現場ではさあ、もう普通に生きるか死ぬかだけだからね』

ディレクター『ああいうのはなかったんですね』

不二子さん『なかったっていうか、起こりえないと思うよ、だいたいさあ、仕事の顔っていうのがあるのよ人間って、こういう仕事をね、してる顔になってくのよ、そんな男が好き好むような顔でなくなるの仕事の時は、誰に見られることもない顔をするからね、この世界でやってると』

ディレクター『ではどうして、その女怪盗Mはあんな描かれ方をされてしまったのでしょうか?』

不二子さん『だから、それはイメージが独り歩きしちゃったんだと思うよ、それが、メディアの怖いところでね、私にも責任があると思ってるの、あの漫画とかアニメのMをみんながみんな本当のMだと思い始めるとは私も思わなかったの、だってばかばかしいでしょ、あんな女がね実際にいたらばかばかしいと思うのよ、だから私もね、最初はわらっちゃってたのそういうばかばかしいMっていうのがね、描かれるのもね、ばかばかしいから許しちゃったの、だってそれで業界が盛り上がってくれればいいかなぐらいにしか思わなかったの』

ディレクター『それで、世間の方々には誇張されたMさんのイメージが伝わってしまったと』

不二子さん『そう、でも今思うと、あたしがそういう描かれ方をゆるしてしまったのはよくなかったって、今は本当に後悔してるの、だってね、ああいう描き方ってね、あきらかに女性を性の対象としてしか見てないでしょ』

ディレクター『いえ、勇敢なところも描かれていたと思うんですが』

不二子さん『だったらね、実際の私のね、勇敢なところをきちんと描いてほしかったかな、だってちょっとね、露骨にね、そのお色気要員みたいな描き方にする必要はなに?実際の私はそういうことは一切なかったからね、誓って女がどうこうで何かが解決するようなことはなかったし、そんなことで解決するようなことは怪盗の世界では何もないからね』


不二子さん『私はね、みんなが盛り上がるのなら、まあそういうね、フィクションみたいなね、描き方も全然いいんだろうなってね、あの頃は本気でそう思ってたの、でもそれが間違いだったなって今ははっきりと思うの、だってね、今ね、女性の社会進出があれこれいわれてるけどね、結局まだまだ、女性を性の対象にみるようなコンテンツだとか、そういうものはどんどん増えてるでしょ、結局ねずーっと昔からこの国は男性社会なのよ、それで男性から見た女性像というのをより強固に確立していってるわけ、その始まりというか流れのきっかけを作ってしまった一人が私なんだなって今ははっきりと自覚してるの、まあいっちゃなんだけど、そりゃ三世ほどの活躍はしなかったけど、私だってそれなりにね、昔の盛り上がってた頃の怪盗界隈で腕を鳴らせるくらいの仕事はしてたのよ、その私がね、男性社会をうのみにしてねこういうキャラクターとして描かれるのを許してしまったっていうことがね、このゆがんだ流れを加速させたな、男性社会を作ってしまったなって思うわ、私がもっと性とは関係のない実力の世界で合ったことをアピールしていたら、今みたいな流れを変えれたんじゃないかとよく思うのよ』


不二子さん『そのなんか見た目とかも三世はちょっと意識されてると思う正直、ちょっと面影をねその漫画のかたとかもね、意識されて書いてたと思うのよ、これ、だって私、これ、ねえ、ちょっとね、こんな格好はしないし、そのね、わかるでしょ、この都合でお色気要素にされてるというか、納得できないというか、その当時はそれをわからないというか困るなあぐらいにしか思ってなかったけど、やっぱりこういうね描き方、その現実をあまりにも無視する追うな描き方、それがやっぱり後々になって判断して良くないっていうね、そう思ってからじゃおそいのよね、だからね、あのとき、どんどん言えばよかったって思ってるの、特にメディアの人には、だってなんか三世は恰好いいところも書かれてるけど、私も恰好いいと言えば格好いいと言えなくもないけど、これはね、なんか私目線で格好いいわけじゃないからね、ちゃんと私もね、自慢じゃないけどね、自慢じゃないし、そんな大仕事は少なかったけど、ちゃんとやってたからね、できる方だったのよ、男の人と比べても、たまたま同時代に三世が居たから、それが仕方がなかっただけで、なんかそれだけで、こんな扱いをされてね、こんなイメージを持たれるっていうのがね、これは、、、でも今からどうすることもできない、その、一度そういうイメージを持たれてね、』


不二子さん『だからあなたたちにはそういう、イメージに都合のいいようなことは一切お答えできないんだけど、こういう部分ももっと知っていってほしいと思ってるんです、、、まあ、いまからではね、どうしようもないのかもしれないけどね、、こういうことを言っても使えないって言われるでしょうし、まあそういうめんどくさい女ですよ』

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