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怪盗の話  作者: hara
4/12

③空き巣をしながらドヤる

・街中(午後)


撮影陣と歩いている七世


ディレクター『七世さんは普段はどんなことをされてるんでしょうか、他の怪盗の依頼とかはあるんですか』


七世『そうですねえ、えっと、最近は、あんまり依頼がなくて、、、もうそういう世の中なんですかねえ、だから、暇してますね、暇でずっと歩いたりしてます、町を』


ディレクター『はあ、ええ、それでなんていうんでしょう、ただ歩かれてる?』


七世『はい、まあ、目的が全くないわけじゃないんですけど、まあ町眺めたりするの好きなんで』


ディレクター『一日どれぐらい歩かれるんですか?』


七世『まあ、六時間ぐらいすかねえ』


ディレクター『ええ、それずっと歩かれるんですか』


七世『まあ、休憩しながらですけどね』




~カット割る~


ディレクター『ちょっとすいません、あのう休憩してもらってもいいですか、ちょっと疲れてしまって』


ディレクター喫茶店等を指さす


七世『ああ、はい、この辺すか、あっじゃあこっち良いすか』


ディレクター『なんかお店とかあるんですか?』


七世『いやそんなんでいちいち金使うのバカなんで、普通に家あるんで』


ディレクター『ご自宅ですか?』


七世『おれ家はもってないんすよ借りてもないし』


ディレクター『はあ?』


七世『いや家あるじゃないですか普通に』


七世、住宅街を指さす


七世『ちょっと休憩しましょう』


七世、住宅街へと歩いていく




~カット割る~


七世『あ、あそこいい、あごめんちょっと』


七世、カメラマンのカメラを手で遮る


カメラ暗転、レンズキャップをつけて音声のみになる




七世『あの家いきましょ』


ディレクター『お知り合いの方の家ですか?』


七世『たぶん知らない人の家だと思います、っていうかその家がだれの家かって表札見ただけじゃわかんなくないすか?』


ディレクター『はあ、といいますと』


七世『あの家ってたぶん堅気の人じゃないすかね、僕は絶対知り合いじゃないと思いますよ、変な罠じゃない限り』


高速で数種類の鍵をガチャガチャする音、そして扉の開く音


ディレクター『え、ちょっと何やってるんですか、ダメ、ダメです』


七世『休憩したいって言ったじゃないすか、早く入って入って』


ディレクター『ちょっと』


七世、腕を引っ張って二人を家に入れる




~カット割る~


七世、カメラマンに向かって


七世『あ、もうカメラ大丈夫っすよ』


カメラがレンズキャップをとり、撮影が再開される


七世が散らかった家の中でベッドに横になってくつろいでいる




七世『よくないすか、喫茶店より』


ディレクター『えここってお知り合いの家ですか?』


七世『多分あったことない人っすね』


ディレクター『いや、勝手に入ってるってことですか、まずくないですか?、、、これもなんか依頼ですか?』


七世『まーこれは依頼じゃなくてゴトですね』


ディレクター『ゴト?ってなんですか?』


七世『ゴトってご存知ないですか?』


ディレクター『はい』


七世『ゴト、まー僕らがゴトって呼んでるだけなんですけど、まず普通に来る依頼っていうのがありますよね、それはそれで、まあ僕らの仕事というか免許にも許可されてるなんか表稼業といいますか、、、ただ、依頼って僕ら断んないんですよ、それが楽しくてやってるところもあるんですど、その、なんて言うんでしょうね、依頼の為に人生全振りするんすよ、、、でね、、、あのわかってほしいのはね、依頼なんてそんなん、割りの良いもんばっかじゃないんですよ、もう手っ取り早くいうとお得意様の為に命がけでなんでもするみたいなもんなんですよ僕ら、鉄砲玉みたいなもんすよ、まあ得意分野が怪盗っていう盗みっていうだけで、、、、めちゃくちゃな依頼とかいくらでもありますからね、もうこれをするために何をやってもいいっていうのが依頼なんですよ、どんな手段でもいい、どんな事をしてもいい、目的の為なら、普通の堅気の感覚やったらちょっとわかんないとおもうんですけど、そういう依頼っていうことなんですよね、僕らがやることっていうのは、好きでやってるところはありますけど、そんな状況で特に組織にいるわけでもなく個人でやってますからルールがあるメリットとか僕らは捨ててるんですよ、、、まあ例えば、お給料もらって雇われとけばいいじゃないかとか、言ってもそんなんいつ死ぬかもわからんようなことやっててそんなんお金なんていくらあっても意味ないですからね、、、だからまあ普段から全然ルールで守られてないっていうことですね、依頼の時に僕らはそういうものを捨ててるんですよ、、、それでね、あの、依頼の時はもうなんでもありでめちゃくちゃなことやってくださいねって言ってね、それで今度依頼じゃない時はルールがありますよ、他の人と同じように縛られて頑張ってくださいねってそんなんおかしいじゃないですか?、でね、だからもうちょっとそこは折り合いをつけるというか、普段から僕らのやり方でやらせてもらいますよと、だから僕ら自身の生活の為に、日々の僕らが社会と折り合いをつけるための犯罪みたいなのをゴトって呼んでますね』


ディレクター『え、それ普通の犯罪ってことですよね』


七世『だから素人さんのそれとは違うんすよ、僕らのは、僕らのゴトは別に人を傷つけるようなことあんまないですからね、本当に僕らが生活の中で怪盗でありながら社会と折り合いをつけていくための行為ですから、素人さんの安易なやつではないっていうことはわかってほしいんですよね』


七世『このゴトっていうのは、あの怪盗の生きざまというか、哲学なんですよね五世さんとかに言わせるとね、まあ僕は五世さんとかにすごい教わってるんですけどね、まあ、言ったら五世さんに言わしたら怪盗なんてはみだしもんなんですよ、そのはみだしもんがはみでてるままどうやって社会と折り合いをつけますか?っていうことなんですよ、だから依頼が表やったとしたらゴトっていうのその陰なんですよ、怪盗やるなら絶対に切っては切れない、もう本当に堅気の人にはわからないと思うんすけど、ルールとかあって大切なものとか、積み上げたものとかあって、めちゃくちゃななんでもありの世界で通用しないそんなやつ、だから普段からルールなんて関係ない生き方しないといけないんすよ怪盗は、でこれわかりづらいと思うんすけど、例えばっすよ、例えば、あのですね、あの、じゃあさっきの喫茶店、さっきの喫茶店で別に僕がなんか頼んでね、くつろいでもいいわけじゃないですか、おんなじように、ああ、快適やーって、でねそのあとになんも支払わずに出てっていいんですよ僕は、あんなセキュリティやったら絶対僕の事捕まえられないから、でもね、そういうことを僕はしないわけじゃないっですか、なんでかわかります、えっそんなんやったら喫茶店の人が損するでしょ、で今どうです、だれか損してます、これ横んなって僕がわー快適や楽やって言ってるけど誰か損してます?誰も損してないでしょ、そういうことなんですよ、これ本当にだれも傷ついてない、これがルールがなくても問題ないっていうことなんですよ、でしかも、こんなんトラブルなったことないっですからね僕、、、だいたいそんなんね、警察の人とかもわかってますからね、そういうゴトをしないといけない人が居て、ある程度はあってもええって、どんなルールでもそのルールを守るためにあるわけじゃなくて、ルールがあるからうまくいく、うまくいかせるためにルールがあるわけでしょ、そんなんどんなルールでもそのルールの為にぎちぎちになんでもかんでも決めつけたら生きづらくなるよ、僕らほんまになんもできひんから依頼とかやらへんよそんなんなったら、だからしょうがないでしょこんなん、』




~カット割る~




七世が風呂掃除をしながらインタビューに答えている


七世『なんていうんだろな、まあ僕の得意技っていうか、まあ僕はなんだろうな、空き巣に限らずなんだけどセンスが良いっていうか、その、なんだろうな例えばこの部屋も外側から見て取れる情報がめっちゃたくさんあるんですよ、立地とか何番目とか、壁の汚れ方とか、なんかそういうものすごいいろんな情報があるんで、それを外側からみて取れるんで、どの家が入りやすいとか入ったら中でどういう風になってるとかってめっちゃわかるんすよね、普通に見てたらなんかそういう勘が良いっていうんすかね、だから今、家にいてもなんか大体何時ぐらいに帰ってくるかとか、なんかわかるんすよね、でね、それでねだから僕はこういう風に家に入ってても誰かに合ったこともないし、んでね、寝てても大丈夫だし、もしなんか自分が勘違いで家の人帰ってきても玄関からくるから、その前に向こうから出ていきゃいいだけでしょ、こんな家いくらでもあるからさあ、だから住む場所なんて全然いくらでも困らないよね、、、でね、この人多分、風呂とか掃除してやった方が良いと思うんだよね、たぶん、この人に俺レベルの勘があれば、たぶん俺が家に滞在したことって絶対に気づかれんの。でも問題ないのだってこうやって俺風呂とか掃除していくでしょ、掃除されたのもわかるから、俺レベルの勘があれば、だから、気づかれてもまいっかってなんのよ、でね逆にね、俺以下の勘しかないやつは絶対に気づけない、っていうか気づかせなくできる俺は、そのテクニックがある、だから誰も困らない、こういう最初っから散らかってる家のやつはイージーだよね、、、』

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