⑩不二子さんに本を返してもらうのを断られる
・峰不二子(仮)の家の中、(午後)
ケーキを食べている、七世と不二子さん
七世『あ、あの、これ』
不二子さん『どうしたの?』
七世『この本がめっちゃ面白くて』
不二子さん『そう』
七世『うん、めっちゃ面白くて、それで持ち主に返したいなあと思ってて』
不二子さん『そう、いいんじゃない』
七世『それで、その返すのを他の人にお願いできたらなあって』
不二子さん『なんで?』
七世『お年寄りとか女性の方がいいなあって思ってて、僕はもう盗むときに顔を見られてるから、盗んだ本人が返しに来たら変な感じになっちゃうっていうか、相手が女の子だったんで、男の僕が行くと最近だとストーカーとかみたいに思われて、なんかそういう変な感じになっちゃうかもしれない、』
不二子さん『私が返しても変な感じになるでしょ』
七世『そこはさあ、なんか駅とかでさあ、っこう、つかつか歩いてってさあ、あ落ちましたよって後ろから言って渡してくれたらさあ、女の人とかお年寄りなら変に疑われないと思うから大丈夫だって』
不二子さん『私も共犯と思われたらどうするの?』
七世『いや、堅気のひとだからそんな考えない、、はず』
不二子さん『返すのやめたら』
七世『でも本当にいい本でさあ、なんか、このまま持ってるのも悪いことしたなって思っちゃうっていうか、それでお願いしたくて』
不二子さん『いや、あのね、私はね、女だからとかお年寄りだからとか、そういうことを持ち込んで来てた時点でもう断ろうって決めたんだよね、だいたいそんなに女の方が都合がいいなら、七世が女装の一つ二つ覚えれば済む話じゃん、あんたがへたくそだからうまくできないだけなんじゃないの?なんでへたくその面倒をいちいちみないといけないの?』
家の中
七世『ちょっと、断られてしまいました』