第6話 ダッシュで逃走
読んでいただきありがとうございます
砦を出た俺たちはとりあえずエルーナに身近の町までの道案内を頼んだ
まあ、このへんの地理は全く知らないからな
エルーナは慣れたように森の中をすいすい進むもんだからついていくの大変だわ
主にアルトが。俺?俺はステータスがあがったから余裕だね余裕
一応、今のステータスはこちら
レベル5
HP80/80 MP18/48
STR:23
VIT:18
AGI:20
DEX:30
MAG:40
ユニークスキル:成長EX
スキル:火魔法Lv3
ちょっとだけステータスがあがって火魔法レのベルあがったのはすごいでしょ
うん。言いたいことは分かるよ
あんだけおっさん連中倒してもレベル上がんなかったのよ
なんでかってエルーナに聞いたらレベルの上がる要素の元になる命の根源が人間は少ないんだって
それでもあれだけ倒せば普通はレベルが上がるって話なんだけど成長EXをもってると命の根源を必要とする量が人より多いんじゃないかって話だ
ちなみにエルーナとアルトには俺が成長EXを持ってる話はしている
話を聞いたときは二人とも吃驚していたがな。でも俺だからで片づけられた。ひどくない?
まぁ。レベルが一気にあがったのはあの鍵も結構凄かったんだと思う
後で聞いたら封魔の鍵って高レベル者も拘束できるらしい。なんでもそいつが持つ魔力を吸い上げるから拘束されたやつは魔法も使えずへろへろ状態でおとなしくするしかないんだってさ
だからおっさん二人を首ちょんぱできる魔法が使えるのにエルーナはおとなしくしてたもんな
ちょっと話がそれたが俺が倒したのはしっかりエルーナの魔力を吸い取った奴を倒したからレベル上がったんじゃないかという話だ
ちなみに拘束中の封魔の鍵を壊すことは世界共通で犯罪になるらしいから人目のあるところですんなってエルーナからしっかり言われたわ。気をつけよ
その話は一旦置いておいて俺は前を歩くエルーナに声をかける
「なあ、エルーナ」
「なによ」
「そろそろ休憩しない?」
「もうばてたの?」
こちらを振り向かずさくさく歩きながらエルーナは呆れたように言ってくる
「うん。まあ、アルトがね」
「アルト?」
そこで何かを思い出したようにエルーナが慌てて振り向く
エルーナが立ち止まって振り向くと息を荒げ目が虚ろのアルトがいた
おいおい、アルトの存在忘れてたんじゃないのか?
「だ、大丈夫?」
大丈夫じゃないでしょ。森の中を歩くって結構大変なんだ
手入れの入っていない山道とか森って草木は生え放題、石は転がってるしいたるところにむき出しの岩があるから歩きづらいんだぜ
「・・・大丈夫ですよ。あはは。なんだかお母さんがあそこで手を振ってますよ」
「きゃー!アルトしっかりして!」
そう言ったきりアルトはぶっ倒れましたとさ
アルトそれ幻だから。お前のお母さんまだ生きてアルバイン領にいるからね
それとエルーナしっかりしてってあんたが原因でしょうが
ま、とりあえずもうすぐ日も沈むし今日はここで野営かな
さて野営ってどうやるんだっけ。とりあえず乾いた枝を集めて火つければいいか
というわけで点火
「ほんとあんたの魔法の使い方っておかしいわよ」
俺が火をつけたところをみてエルーナがあきれたように口を開く
失礼な!だって牢屋で教えてもらったばかりだから仕方ないじゃないか
ちなみにアルトはエルーナに膝枕をしてもらってしっかり熟睡中ね
ふん!うらやましくなんかないもんね
「普通、魔法って詠唱して魔力を練ってから発動するもんなのよ」
「ん?そうなのか?」
「そうよ。ちなみにあんた今、火魔法のレベルいくつよ」
「3だけど」
「はあ?3ってそこらの魔術師なみじゃない。あたしだって風魔法3なのに・・・」
おかしいありえないって呟かれても・・・全部成長EX先生のおかげだから
あ、そういやエルーナ、風魔法使えたんだった
「エルーナ」
「はいはい。どうせ風魔法教えてでしょ」
よくお分かりで。アルトといいエルーナといいおかしくない?
「あんたの場合、顔にでるのよ。顔に」
まじか!んー。そのうちポーカーフェイスとかスキル生えてこないかな・・・
「ま、いいわ。とりあえず、風魔法だけど火魔法と一緒よ。風を刃に飛ばすイメージをしながら詠唱して発動するの。見てて」
そういうなりエルーナは手をかざす
「世界にあふれる力よ我の願いに答え風の刃として具現せよ。届け風よ!ウインドカッター!」
その瞬間エルーナの手から風が収束しブーメラン型の白い刃みたいのが草を刈りっとって飛んで行った
だいたい射程は10mくらいで霧散した感じだな
「うん。今は見本でそこまでイメージしてないから射程も短いけどこんな感じかな」
なるほど。ちょっとやってみるか。しっかり今のをイメージして
「えっと・・・世界にあふれるその力を我の願いに答え風の刃として具現せよ。届け風よ!ウインドカッター!」
なんか力が抜ける感じがしたけど・・・。あれ?なんにも起きないよ?
「あはは。そんなにすぐできるわけないじゃ・・・」
「ぐぎゅあ!」
<レベルがあがりました>
なんか遠くで叫び声がしてついでにレベルもあがったけど何倒したんだろ
「あんた何したのよ・・・」
「さあ。レベルが上がったから何か倒したと思うけど。あ・・・」
やばい俺、やらかしたかも
「エルーナ先に謝っとく。ごめん」
「なによいきなり謝って。気持ち悪いわね」
エルーナさん後ろから光る眼がどんどん集まってめっちゃ光りまくってます
「逃げるぞ」
「え?」
俺がエルーナの後ろを指さすと振り向いたエルーナが叫びながら慌てて立ち上がった
「げっ!あんたが倒したのウェザーモンキーじゃない!?」
なにその天気予報があたりそうなお猿の名前は。それとそんなにいきなり立ち上がったら
「うわちゃ!あついあつい!」
「あっ!アルトごめん!」
アルトが顔面から焚火に体ごと突っ込みました。そうなるよね
うわぁ。熱そう・・・
「もう!あんたってほんと余計な事しかしないわね!」
いや不可抗力だよ!あんなん予測できないじゃん!
とりあえず転がり消化を終えたアルトを俺が背負ってダッシュで逃げました
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